とはいえ、新たな運用基盤のシステム開発にかけられる時間は限られています。従来と同様のスクラッチ開発では時間が掛かりすぎると判断した同社は、SaaS(クラウドサービス)の利用に切り替えます。
同社が選んだのは、サービスマネジメントのツールとしてシェアNo.1(IDCjapan調査)のSaaS型プラットフォームサービス「ServiceNow CSM(Customer Service Management)」です。
従来のスクラッチ開発が、すべて最初から仕立てる“フルーオーダー”とするならば、ServiceNowを使ったアジャイル開発は、ある程度仕立てられた状態からスタートする “イージーオーダー”のようなものです。
今回のプロジェクトで開発に携わった寺島聡太氏は、ServiceNowを選択した理由について「自分たちのやりたいことをServiceNowに標準で用意されたモジュールを業務に当てはめるだけで、工期や工数を圧倒的に短縮できる点を高く評価しました」と説明します。
ServiceNowの導入をサポートするパートナー企業には、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)を選定しました。野田氏はその理由について、「NTT Com は、自社内のさまざまな領域で、ServiceNowを使い込んでいると聞き、蓄積された豊富なノウハウや知見を活かした導入サポートに期待しました」と話します。
一方で、同部の門脇正氏は、NTT Comの“その他のソリューション”への期待も大きかったといいます。
「NTT Comは、幅広いサービスラインナップがあるため、さまざまなソリューションを組み合わせた案件プラスアルファの提案が受けられるのではないか、と考えたことも選定理由の1つです」(門脇氏)