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国内初!ピジョンのベビーテックさく乳器、開発奮闘記
2019.10.02

IoTを活用してビジネス価値を創造する第3回

国内初!ピジョンのベビーテックさく乳器、開発奮闘記

著者 Bizコンパス編集部

 今、世界的な注目を集め、商品が徐々に増えているベビーテック(Babytech)。これは妊娠や出産、育児に関するあらゆるモノや情報・サービスがIoTなどの技術でつながることで、赤ちゃんの健やかな成長の一助になったり、育児に関わる方々の負担を軽減するようなITサービスの総称です。海外では、スマホと連動するチャイルドシートやスマート玩具、体温を測定できるベビー服など、さまざまな商品が販売され、日本でも話題にのぼることが増えています。

 日本におけるマタニティ・育児用品のトップメーカーであるピジョン株式会社(以下、ピジョン)は、2018年8月に同社初のベビーテック製品として専用スマホアプリと連動する電動さく乳器「母乳アシスト® 電動Pro Personal(プロパーソナル)」と「母乳アシスト® 電動Pro Personal+(プロパーソナルプラス)」を発売しました。さく乳器をスマホから操作できるだけではなく、さく乳や授乳時間、さく乳した母乳の量・赤ちゃんが飲んだ母乳とミルクの量などをアプリで記録し、母乳育児をサポートする商品として発売直後から評判となり、今年「BabyTech Award Japan 2019」の授乳と食事部門で大賞を受賞しました。

 国産ベビーテックの先進例として話題になった同商品の開発スタート時から、ピジョンは将来的に、アプリから読み取れる様々なデータを将来のさく乳器の開発に活かすことや育児分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を視野に入れていました。しかしピジョンには、アプリを開発した経験も、IoTに関するノウハウもなく、プロジェクトは試行錯誤の連続だったといいます。同社はいかにして注目のベビーテック商品を開発したのか、その舞台裏を紹介します。

【ピジョンについて】

 1957年、(株)ピジョン哺乳器本舗として神奈川県に設立。現在は哺乳器分野で国内約80%のシェアを持ち、さまざまな育児用品に加え、マタニティ・女性ケア・ホームヘルスケア・介護用品等の製造・販売輸出入並びに保育事業も展開。「世界中の赤ちゃんとご家族に最も信頼される育児用品メーカー」を目指し、日本はもちろん、海外でも事業を広く展開しています。

アプリ、IoTの知見・経験ゼロからのスタート

 母乳で赤ちゃんを育てる「母乳育児」を行う上で、お母さんの胸が張って痛い時や、さく乳して母乳を保存し、あとで赤ちゃんにさく乳した母乳を飲ませる等、様々な場面で必要となるのがさく乳器です。さく乳器には、手動でさく乳するタイプもありますが、近年は電動タイプを使う方が増えています。

 ピジョンのさく乳器は、1980年代に発売され、母乳育児の定番商品としてロングセラーを続けています。

「当社では、市場の動向に合わせて、大体3〜4年に1度の間隔でさく乳器をリニューアルしてきました。さく乳は、お母さま方にとって楽なことではなく、人によっては胸が張って痛みがあったり、思うような量の母乳がとれなかったり、寝不足の状態で夜中にさく乳したり、大変な思いをされている方もたくさんいらっしゃいます。その大変さを少しでも緩和したい、笑顔で育児していただきたい、そのためにできることはないかと考えて、リニューアルを続けてきました。

 そうした思いを形にした製品が、この『母乳アシスト® 電動Pro Personal』と『母乳アシスト® 電動Pro Personal+』です」と、ピジョン 国内ベビー・ママ事業本部 事業戦略部 企画推進グループの久保田啓司氏はさく乳器のリニューアルに対する思いを話します。

 2014年以来4年ぶりのリニューアルとなった今回も、開発チームのメンバーは母乳育児を支援するために何ができるのか徹底的に議論しました。さまざまなアイデアが飛び交う中で、育児世代のライフスタイルについての考察も行われました。

「今、さく乳器を利用されるお母さまの大半が、スマホを日常的に利用しています。そうであるならば、多くのお母さま方がされているさく乳や授乳の記録もアプリからできた方が便利ですし、振り返りもしやすいのではないかと考え、電動さく乳器とアプリを連動させるアイデアが生まれました」と、ピジョン 開発本部 設計開発部 哺乳・授乳設計グループ マネージャーの田中雄市郎氏は、ベビーテックに取り組むことになった経緯を話します。

 ピジョンの社内にはスマホアプリを開発した経験のある社員や、IoTのわかる技術者が一人もいませんでした。このアイデアを形にするために、アプリやIoTの専門技術やノウハウを持つパートナー企業探しがはじまりました。

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