最後にご紹介するのは、新たな価値を生み出す業務へのリソースシフトについてです。既存の運用業務および維持管理業務を効率化し、デジタル化のために予算と人的リソースを充てることを考えなければなりません。そのため、パッチ適用やバックアップといった定常的な作業の稼働を最小限に留める必要があります。加えて、開発チームと運用チームが一体となって課題解決を図る「DevOps」体制を実現し、数多くの「PoC(Proof of Concept)」を実施することで迅速なシステム開発を行う環境を整備することが重要です。
【ポイント3】運用保守:マルチクラウド活用ポイント

こうした取り組みを進める上で有効となるのは、DevOpsまで視野に入れて提供されるアウトソーシングサービスでしょう。デジタルトランスフォーメーションを進めているある企業では、運用保守においてNTTコミュニケーションズのマネージドサービスである「Global Management One」を利用し、ミドルウェアを含むマルチクラウド環境の運用をアウトソースしています。これにより、本来のビジネス領域に集中して取り組む環境を整えました。
その結果、システムやアプリケーションなどを導入する前に、1年間で6回、つまり2カ月に1度のペースでPoCを実施する環境を実現できました。デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みでは、試行錯誤を繰り返して取り組みの頻度と精度を高める営みが欠かせません。この企業では、運用業務のアウトソースによってリソースを確保し、積極的にPoCを実施してデジタル化を推し進めています。さらにNTTコミュニケーションズはこの企業の運用業務を進める中で、意思決定やデータの分析に用いられるデータウエアハウス(DWH)に課題があることを明らかにし、PoCを実施した上で、課題解決のためにクラウド化しています。
このようにDevOpsの体制の下で、業務上の課題の改善と新たな価値の創出をスピーディに実現しており、ミッションクリティカルなシステムである「SAP HANA」を利用したシステムでは、Virtustream社の技術を使った「Enterprise Cloud for ERP」を、マイクロソフト系のシステムは「Microsoft Azure」、さらにWeb系はAWSといった形で使い分けを行い、最適なマルチクラウド環境を実現しています。
【ポイント3】運用保守:利用シーン

マルチクラウドを戦略的に活用することは企業に大きなベネフィットをもたらしますが、サービスの選び方、あるいは使い方を間違ってしまうとデジタルトランスフォーメーションを阻害する要因にもなりかねません。自社が適切にクラウドを利用できているのか、ここまで解説してきたポイントを踏まえて現状のクラウド利用について見直してみてはいかがでしょうか。NTTコミュニケーションズでは、全体最適となる解を導くお手伝いをさせていただきます。
Windows Server 2008、SQL Server 2008のサポート切れに悩まれていませんか?
Windows Server 2008/2008 R2は2020年1月14日、SQL Server 2008/2008 R2は2019年7月9日にサポートが終了し、セキュリティパッチなどの修正プログラムの提供も終了となります。Microsoft社がAzure上で動作するWindows Server2008/2008 R2、SQL Server2008/2008 R2については3年間の修正プログラムの提供を発表したこともあり、今後のシステムの在り方についてご検討されている企業の皆さまも多いのではないでしょうか。
各社が対策を提案していますが、たとえば上記の講演を行ったNTTコミュニケーションズでは、最適なプラットフォーム選定を行った上で、Microsoft Azure環境への移行支援サービスを提供しています。導入前フェーズではAzure利用ガイドライン策定サービス、移行フェーズではAzure Site Recoveryを活用したVM to IaaSのマイグレーションを実現するAzure移行サービス、運用フェーズでは24時間365日の体制でAzure環境でのトラブル発生時の迅速な解決を実現するAzure運用サービスなどを用意しています。
ハードウェア/OS/ミドルウェア/アプリケーションなどのサポート期限終了のタイミングで、今後のシステムの在り方をあらためて検討してみてはいかがでしょうか。
※掲載されている内容は公開日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。