仮想サーバーのパブリッククラウド移行にあたっては、いくつかの注意点があります。その1つが、仮想サーバーを実行しているシステム環境の違いです。異なるプラットフォームに仮想サーバーを移行する場合、互換性の問題からパブリッククラウド上で仮想サーバーが動かないということも起こりえます。こうした場合、パブリッククラウドで動作するシステムの再構築が発生するため、プラスアルファでの開発コストが必要となります。また、既存システムとパブリッククラウドで異なる運用になると、社内でのオペレーション負荷が増すことも起こりえます。
セキュリティも注意すべきポイントです。オンプレミスの場合は、自由にセキュリティ機器などを導入できますが、パブリッククラウドは基本的にベンダーが提供するセキュリティサービスを利用することになり、セキュリティポリシーの再設計が必要となることもあります。場合によっては、パブリッククラウドの移行がセキュリティの低下につながることもあります。また、情報管理のポリシーからオンプレミスのデータをパブリッククラウドに移行できないようなケースや、ディザスタリカバリの観点から遠隔地にデータセンターを持っていることもあるでしょう。
オンプレミスでのITインフラは、企業ごとにカスタマイズされていることがほとんどです。そこでニーズが広がっているのが、サーバー仮想化によってオンプレミスとクラウドを連携させる「ハイブリッドクラウド」です。