Bizコンパス

戦略的なIT投資で実現する、ハイブリッドなクラウドの作り方
2019.01.11

ビッグデータ時代のクラウド構築後編

戦略的なIT投資で実現する、ハイブリッドなクラウドの作り方

著者 Bizコンパス編集部

 IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)など、デジタルテクノロジーの活用がビジネスの優位性を左右する「ビッグデータ時代」が到来しています。その要となる「クラウド構築」において、昨今、ビジネスのスピード感やコスト削減、運用負荷の軽減などを目的に、オンプレミスの既存システムを、外部サービスのクラウドに移行する「戦略的なIT投資」が加速しています。

 しかし、企業によってITインフラ環境や業務におけるシステム運用は千差万別なため、ソフトウェアの互換性やセキュリティなどの課題から、クラウドへの移行が容易でないケースもあります。

 その解決策のひとつとして、前編ではインフラ仮想化によって、オンプレミスのシステムとクラウドを共通管理できるVMwareの「ハイブリッドクラウド」ソリューションについて紹介しました。

 後編では、ビッグデータ時代を勝ち抜くための「戦略的なIT投資」の考え方を紹介。その第一歩である、オンプレミスのシステムのクラウド移行において何から取り組めば良いのか、ユースケースを交えて解説します。

新たなビジネスに直結する「戦略的なIT投資」とは

 ICTの調査会社であるガートナーでは、企業の情報システムにおいて、「記録」を主な目的としたシステムを「モード1」、顧客とのつながりを生み出すなど「新たな価値の創造」を目指したシステムを「モード2」と呼んでいます。IoT、AIなどを活用して新たな価値を持った商品やサービスを創出する情報システム構築を目指すなら、それを見据えたIT投資を検討すべきでしょう。

 VMware, Inc(以下、VMware)と協業して企業ごとに最適なシステム構築を支援する、NTTコミュニケーションズ・クラウドサービス部担当部長の青木繁之氏は、「コスト削減の要求はまだ強い」との認識を示したうえで、昨今の企業のIT投資について次のように説明します。

「ITインフラへの投資は、設備投資から運用面にニーズが変化しています。業務システムのクラウド化は、パブリック/プライベートともに増加傾向で、2020年にはオンプレミスのITシステムは半減していくと予測されています。それに伴い、クラウドに投資することでの期待は、2011年から2016年まではコスト削減がメインでしたが、2017年頃からはビジネスのスピードアップ、社内でのIT活用強化、IT部門の生産性向上や人員の最適化などに変化しています。中でも最もニーズが高いのが、ITセキュリティの強化です」

業務システムのクラウド化予測

クラウド活用への企業の期待値(2017~)

 このように、ITインフラへの企業ニーズは複雑化しています。それに応えるためには、「ハイブリッドな構造しかないのが現状です」と青木氏は話します。

ファーストステップは「仮想サーバーのクラウド移行」

 では、デジタルトランスフォーメーションを見据えた戦略的なIT投資で、「ハイブリッド」なITインフラ構築を実現するために、まず何から始めれば良いのでしょうか。

 ファーストステップとなるのが、オンプレミスで運用している物理サーバーの仮想化です。1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバーを実行すれば、物理サーバーの台数を削減することが可能になります。仮想サーバーを管理する自社専用クラウドの整備(オンプレミス型プライベートクラウド)が必要となりますが、運用の方法やセキュリティポリシーを大幅に変更することなく、コスト削減や効率的な社内リソースの配分を行うことができます。

 しかし、オンプレミスでのプライベートクラウド運用は、物理サーバーそのもののコストは削減できるものの、自社でサーバーやネットワークなどの設備を保有する必要があるため、ハードウエアに対する保守や運用の手間は残ります。

 そこでニーズが高まっているのが、オンプレミスの仮想サーバーをパブリッククラウドに移行するというセカンドステップです。オンプレミスでの仮想サーバーをパブリッククラウドに移行することによって、ハードウエアを管理する手間が軽減されるとともに、新規プロジェクトなどによるリソース増強にも素早く対応できるようになります。

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