Boxが働き方改革を強力に推進するツールであることは明らかです。しかし、ここで問題になってくるのが、先の調査結果にもあったIT部門の「セキュリティは担保できるのか」という懸念です。
欧米と日本では、セキュリティに関するとらえ方が異なると西氏は分析します。「日本のIT部門はあらかじめシステムの利用できる範囲を枠で囲って制限する管理型です。一方で欧米はある程度自由にシステムを利用させ、枠から出そうなユーザーに対して警告する監視型ですが、最近では日本も管理型から監視型にシフトしつつあります」。ビジネスにおいてスピード感が重視される流れにおいて、セキュリティの意識は確実に変化しているようです。
Boxが世界的に支持される理由のひとつとして「強固なセキュリティ対策」が挙げられます。一般的なファイル共有サービスでは、マスターデータは利用者の端末に存在します。一方、Boxはプラットフォーム内にマスターデータを集約し、容易には外に出さない仕組みです。さらに閲覧制限、アクセス監視、ログ記録、ウイルスチェックといった各種対策で高いセキュリティを実現しています。
とはいえ、日本のIT部門のセキュリティに対する要求レベルは高く、インターネット回線を利用するパブリッククラウドであることに抵抗を感じる声が少なくありません。そこでBoxではNTTコミュニケーションズとの協業によりセキュアなVPNと組み合わせた『Box over VPN』を提供しています。
「安全性を重視されるお客さまには、Boxを社内のWANに取り込んだプライベートクラウド的に使っていただいく提案をしています。さらに海外にサーバーがあることを不安視されるお客さまには、日本にサーバーを置くことも可能です。レジデンシーとセキュリティが担保できていることも、Boxを選んでいただく理由のひとつになっています」
Boxの利用だけであれば、これで充分なセキュリティ対策といえるでしょう。しかし、複数のクラウドサービスを併用することが当たり前になっている現代においては、さらなるセキュリティ対策を講じる必要があると西氏は分析します。
「メールやカレンダー、社員用SNSなど複数のクラウドサービスを利用する場合は、一定のセキュリティレベルを担保するクラウド型のプロキシサービス『Zscaler』やシングルサインオン・アクセスセキュリティ強化を実現する認証サービス『ID Federation』などと組み合わせることで利便性を損なうことなくセキュアに利用することができます。」
このような多面的なセキュリティ対策の提供により、Boxはユーザーにとっては使いやすく、管理するIT部門にとっては安心できるサービスを実現しています。
さまざまなWebアクセスの脅威に対応できる「Zscaler」

クラウド、オンプレミスの認証を統合、強化する「ID Federation」
