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なぜフィデリティ投信は「AI翻訳」を導入したのか
2018.08.31

AIでビジネスの課題を解決する

なぜフィデリティ投信は「AI翻訳」を導入したのか

著者 Bizコンパス編集部

翻訳スピードは約10倍に、コストは“桁が1つ減る”ほどの効果

 こうした事前調整が完了し、AI翻訳プラットフォームサービスは無事、穂谷氏が所属する金融市場調査室に導入されています。

 穂谷氏は、AI翻訳プラットフォームサービスの導入により、従来と比べて最も改善された点について、翻訳の「スピード」と「クオリティ」の2つを挙げました。

「スピードに関しては、これまでは10,000語を超える運用レポートを外部委託で翻訳した場合、約20日かかっていましたが、AI翻訳プラットフォームサービスの導入後は、わずか数十秒で完了します。

 クオリティについては、外部委託による翻訳よりは精度は落ちますが、手直しにかかる時間を含めても2日程度で終わります。つまり、作業にかかる時間を、従来のおよそ1/10に短縮できたということになります。今後、辞書登録機能を使って金融業界の専門用語を覚えさせることで、さらなる精度向上、時間短縮も可能と考えています」

 AI翻訳プラットフォームサービスでは、Microsoft OfficeやPDF形式のファイルをドラッグ&ドロップするだけで翻訳を行う「ファイル翻訳」機能も利用できますが、穂谷氏はこれについて高く評価しています。

「ファイルをドラッグ&ドロップすれば、フォーマットを維持したまま翻訳ができます。レポート本文のみならず、図表の凡例なども翻訳してくれます。これまでのようにファイルからテキストをコピー&ペーストで抜き取って翻訳し、結果をもとのファイルに張り付ける手間を考えたら、作業効率が大幅に改善されています」

「ファイル翻訳」画面の一例

 コスト削減についても、想定以上の効果が出ています。

「少なくとも“桁が1つ減る”くらいの削減効果が出ています。コストを気にせず利用できる、定額制のサブスクリプション契約(利用期間に応じて料金を支払う契約)であることも大きなメリットだと感じています」(穂谷氏)

 さらに、外部委託から内製に切り替えたことで、見積書、請求書などの経理処理も不要になり、その分の稼働の削減に成功。加えて、運用レポートの提供スピードがアップしたことで、有益な情報を迅速に顧客に提供するというサービス力の強化が図れたといいます。

AI翻訳プラットフォームサービスの導入効果

 今回のプロジェクトで手応えを得た穂谷氏は、次の展開を見据えています。

「現在は運用レポートなどがメインですが、今後は機関投資家との日々のやりとりにも活用していく予定です。さらに、社内の各部署にも広げていきたいと考えています。将来的には、上位メニューにアップグレードして、機密情報の翻訳についても対応していこうと考えています。

 この波が社外にも広がり、AI翻訳が金融業界のデファクトスタンダード(事実上の業界標準)になれば、日本の金融業界の生産性は飛躍的に高まるのではないでしょうか」

※掲載されている内容は公開日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。

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