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知っておきたい!「ServiceNow」導入とIT運用の勘所
2018.06.15

DXを加速させるITシステムの運用改革第2回

知っておきたい!「ServiceNow」導入とIT運用の勘所

著者 Bizコンパス編集部

「ServiceNow」導入の障壁をクリアするために

 続いては、NTTコミュニケーションズ株式会社 マネジメントサービス部 平松太一氏が「ITSMモダナイゼーション―実践と日本での使い方」と題した講演を行いました。平松氏は、グローバルエリアの運用監視アウトソーシングサービスを担当しており、数年前からServiceNowの問い合わせが増えているとのことです。

「よく耳にするのが『海外の現地法人がServiceNowを使っているので導入したいが、機能が豊富すぎて必要な機能がわからない』『グローバルの統一オペレーションプロセスや統一品質をつくるのが大変』『社内データを海外のサーバーに置くのは抵抗がある』などの声です」

 

 

日本のお客さまから聞くServiceNowのチャレンジ

 こうした要望を受けて、NTTコミュニケーションズでは2016年12月にServiceNow Japanとのパートナー契約を締結しました。そこには、Self Hostedに関する契約も含まれていました。

「これは私たちの日本国内にあるデータセンターにServiceNowの基盤を構築し、国内の環境で利用可能にするものです。このサービスは、2017年10月より提供を開始しています」

 国内基盤におけるサービスの提供により、金融・公共分野など、国外へのデータの移動を望まないといったニーズに対応。さらにコンサルティングや導入支援、運用までを含めた一元的なサポートを加えることで、さまざまな業務プロセスをデジタル化・最適化し、業務の精度と効率性の向上に貢献するサービスになっています。

 ServiceNowを提供するためには、その中身を熟知しておく必要があります。そこで平松氏は、実際にServiceNowを導入して、社内のコンタクトセンターが抱えるシステムの課題を解決できないかと考えました。

「コンタクトセンターのオペレーターの要望は、より直感的に操作できる仕組みが欲しい、即時機能追加で、お客さまの要望に迅速に対応したいというものでした。一方システム開発者にとっては、ウォーターフォール型で開発を行っていたため、何がオペレーターのUX向上につながるのか要件を検討するにも時間を要してしまう、スピーディな機能追加は困難という課題がありました」

 平松氏は、この案件にServiceNowを導入した印象を明かします。

「ITILのべストプラクティスが網羅され、最小限のカスタマイズで使えるので、ゼロからの作りこみが不要で、オペレーターに操作してもらいながら調整していくアジャイル開発が簡単にできるようになりました。そのうえ豊富なコミュニティが存在するので、事例などのナレッジをベースに問題を早期解決できることも魅力でした。迅速かつ手軽に開発ができるため、プロトタイプは数週間で完成しました。特別なスキルが無くても、トライアルしながら開発が進められたのは大きいと感じています」

ServiceNow使ってみた

 新しいコンタクトセンターは既存のCTIシステムなどをAPIで連携し、チケット起票、担当者の割振りからレポート機能までがServiceNowで自動化されています。これにより情報・タスクの一元化、見える化が可能になり、リアルタイムのコミュニケーションを実現。オペレーターのUX向上はもとより、お客さまユーザーのUX、CSの向上にもつながっています。

開発したコンタクトセンターシステム

 この取り組みについて平松氏は次のように評価します。

「APIが充実しているので既存システムとの連携が非常に容易でした。特別対応が必要なユーザーからの問い合わせに対しては、チケット起票時に画面通知が出せるので、的確な対応ができるようになったこともポイントです。その一方で、苦労した点もあります。アップデート時のリグレッション試験は大変で、ここは導入時に留意すべきでしょう。さらにSelf Hostedは初挑戦だったため技術者が不足しており、内部でエンジニアを育成して解決しました。自社でSelf Hostedに取り組む際には、想定しておくべきです」

 社内での手応えを感じた平松氏が次に取り組んだのが、グローバルで事業を展開する製造業A社へのServiceNow導入でした。

「製造業A社の課題は3つありました。『申請業務の自動化と見える化』『セキュリティインシデント対応の自動化と見える化』『アジャイル開発体制の整備』でした。ServiceNow導入後には、それらの課題に対して、大幅な時間短縮や、開発開始後の要件追加が可能な開発体制を構築できたといった効果が得られています」

製造業A社へのServiceNowの導入効果

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