ITSMで培った経験、スキルを新たなサービス創出に役立てるために、まず必要となるのは「ITの枠を超えたサービスマネジメントを企業文化として根付かせること」と、久納氏はアドバイスします。
IT部門がITSMで蓄積した経験やスキルが、あらゆるサービスマネジメントに応用できることを社内に周知し、認知してもらうことが重要になるのです。続いて必要になるのが既存のビジネスプラットフォームを見直し、すべてのビジネスプロセスをひとつに統合することだと久納氏は提言します。つまり従来のITSMの領域を拡大し、社内向け・社外向けサービスで活用できる基盤整備が必要なのです。
現在このようなニーズを満たすソリューションとして急成長を遂げているのがSaaS型サービスマネジメントプラットフォーム「ServiceNow」です。
「ITSMの領域のみならず、社内には人事、経理、法務などのたくさんのサービスが独立して存在しています。これらのサービスを構造的な情報として1つのデータべース上にまとめ、横断的かつ効率的に自動化できるツールです。ITSMはもちろん、社内のエンタープライズ領域、社外のビジネス領域の対応も可能になります」
その際、取り組みの指針として久納氏が挙げるのが「Think Big IT」と題した4つのキーワードです。
Think Big IT

久納氏の講演は、IT部門に向けた力強いエールで締めくくられました。
「主役であるIT部門がデジタルビジネス変革期を主導するためには、イノベーション、スピード/アジリティ、シナジー、グローバルの視点が重要だと思っています。ぜひともサービスマネジメントを企業文化として根付かせ、ServiceNowのようなツールでプラットフォームを整備してください。いまこそIT部門はITSMのベストプラクティスを使って、ビジネスサービスマネジメントを社内で主導すべき時期を迎えているのです」