ディープラーニングとGPUに支えられて進化し、ビジネス領域でも存在感を増しているAIについて、松尾氏は講演の中で「電気やエンジン、トランジスタ、あるいはインターネットに匹敵する汎用技術(GPT:General Purpose Technology)である」という認識を示しています。
「ディープラーニングの現状は、インターネットが世に広まりだした1998年頃と似ています。現在、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾンなどのIT企業が時価総額ランキング上位に入っているように、20年後にはディープラーニングで事業を展開する企業がランキングの上位に入っていてもおかしくはありません」
中でも松尾氏が「日本の企業に大きなチャンスがある」と例に挙げたのが「ディープラーニング×ものづくり」です。自動車や家電などの製造業で培ってきた日本の技術力とディープラーニングによるロボット技術は親和性が高く、少子高齢化による労働力や後継者の不足という社会問題の解消とともに、国際競争力の高い、新たなイノベーションが生まれる可能性があると言います。
ディープラーニングが社会をどう変えるのかを考え抜いたプレイヤーが勝つ、とも語った松尾氏。「ディープラーニング×ものづくり」というキーワードは、日本がAI時代のビジネスで世界と戦うためのヒントになりそうです。
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