Bizコンパス

ディープラーニングとGPUが、社会を変えるAIを作り出す
2018.11.16

GPUで切り拓くAI時代のビジネス最前線第3回

ディープラーニングとGPUが、社会を変えるAIを作り出す

著者 Bizコンパス編集部

ディープラーニングとは――人間の脳を再現

 コンピューターを使って「画像を認識する」技術は、ディープラーニングが普及する以前から存在していました。基本的な仕組みを単純化すると、猫の画像であれば、まず人間がAIに猫(=正解)の画像を学習させ、認識させたい画像と比較。その結果、正解の画像と合致した率が高ければその画像は「猫」、低ければ「猫ではない」と認識するという流れです。

 この手法では、「猫に特徴がよく似ているが実は違う動物」といった例外をAIが判断できないため、都度人間がAIに教える必要があります。しかし人間が「これは猫っぽい」など経験則から“感覚的”に判断していることは定義することが難しくAIに教えることができませんでした。

 その解決の糸口となったのが、ディープラーニングの「ニューラルネットワーク」というアプローチです。ニュートラルネットワークは、人間の脳の構造から着想を得て、AIが学習したあらゆる情報を密接にリンクさせたもの。ポイントは、ネットワークを「階層化」することで、AIが学習するデータが増えるほど、より複雑な特徴を認識できるようになる点です。

 松尾氏は、階層化の例として「料理」を挙げます。たとえば素材に1回しか手を加えない場合(1層)、豚肉を切って「豚バラ」、大根を切って「輪切り」など、単純なものしか生み出せません。2層になれば、豚バラと大根の輪切りを組み合わせて「豚バラ大根」を作ることが可能になります。そこからさらに米や大豆の情報を加えることで、ご飯や味噌汁を組み合わせた「豚バラ大根定食」を作ることもできるようになります。

 ディープラーニングを使って、AIに学習させる取り組みは2000年代初頭には開始されていました。しかし、写っているものが猫か犬かを判断するといった単純な画像認識であっても数十万枚から百万枚規模の画像を読み込んで学習する必要がありました。その処理能力を持ったハードの技術が追い付いていなかったことが、ディープラーニング研究において長らくボトルネックとなっていましたが、それを解決したのが2012年頃からディープラーニングへの活用が始まった、高速プロセッサーのGPUです。

SHARE

関連記事

仮想デスクトップを「GPU」で10倍速くしたハーゲンダッツ

2018.10.12

デスクトップ仮想化の最前線

仮想デスクトップを「GPU」で10倍速くしたハーゲンダッツ

実装が進むディープラーニングのビジネス最新動向

2016.07.27

デジタル時代のビジネス創造を考える第2回

実装が進むディープラーニングのビジネス最新動向

AI活用で事前に製品の品質異常を予測する三井化学

2017.10.18

人工知能(AI)はビジネスにどう活用されるのか第11回

AI活用で事前に製品の品質異常を予測する三井化学

なぜフィデリティ投信は「AI翻訳」を導入したのか

2018.08.31

AIでビジネスの課題を解決する

なぜフィデリティ投信は「AI翻訳」を導入したのか

AIはどうやって、新型コロナウイルスの治療/診断/予測をしているのか?

2020.07.15

With/AfterコロナにおけるAI技術の可能性第2回

AIはどうやって、新型コロナウイルスの治療/診断/予測をしているのか?

ニューノーマル時代に、AIは働き方をどう変えるか?

2020.06.17

With/AfterコロナにおけるAI技術の可能性第1回

ニューノーマル時代に、AIは働き方をどう変えるか?

課題に直面するコンタクトセンターを救う3カ条とは

2020.04.16

いま求められる“顧客接点の強化”第25回

課題に直面するコンタクトセンターを救う3カ条とは

クボタはディープラーニングで焼却炉のエコ発電を目指している

2020.04.15

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第39回

クボタはディープラーニングで焼却炉のエコ発電を目指している

音声認識とAIで「新人が即戦力になる」コンタクトセンターとは

2020.03.27

いま求められる“顧客接点の強化”第24回

音声認識とAIで「新人が即戦力になる」コンタクトセンターとは

京セラはなぜ「AI翻訳」の全社一斉導入を決めたのか

2020.03.27

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第36回

京セラはなぜ「AI翻訳」の全社一斉導入を決めたのか

デロイト トーマツ グループは“AI翻訳”で業務改善を進めている

2020.03.13

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第35回

デロイト トーマツ グループは“AI翻訳”で業務改善を進めている