さて、海外展開時におけるITガバナンスのパターンはいくつかあります。初期段階では本社のIT部門がすべての拠点のITをコントロールする集権型が一般的でしょう。さらに規模が大きくなれば、リージョンヘッドクォーターがIT部門を持ち、その地域の現地拠点を統括する地域別連邦型などと呼ばれる形を採るケースが少なくありません。
グローバルITガバナンス強化策の最適解
海外展開におけるITガバナンスのパターン

このようなガバナンスの形を考える上での前提として、意識しておきたいのは事業部門を巻き込むことです。
「ITガバナンスにフォーカスした話でも、必ずしも情報システム部門だけがITガバナンスを考えるのではなく、事業部門と一緒になって検討していくことが大切です。そうしないと、ITツールなどの道具だけの話になってしまいがちだからです。業務部門とIT部門が協力して検討する体制作り、あるいは見える化のための環境の構築を考えるべきです」
その上で、グローバルにおけるITガバナンスの構築で最適解となるのは、PDCAサイクルを回しつつ、その時々に合った管理体制を選択することだと語りました。
「売上が低い時期は集権型で始めるのですが、徐々に規模が大きくなっていくと分権型や連邦型に推移していきます。その中で、日々PDCAサイクルを回していって、よりよいIT環境、あるいは業務環境を整えていく。それが、我々が申し上げたい最適解のポイントになります」
グローバルITガバナンス強化策の最適解
ITガバナンスのプロセス

赤神氏は、NTTコミュニケーションズグループとともに、お客様の課題解決のためにグローバルICTパートナーとしての一助を担う役割を支援しています。
「海外進出の規模が拡大すれば、そのすべてを本社でコントロールすることは難しくなり、現地に権限を委譲することが欠かせなくなります。そのときに問題となるのがガバナンスで、そこに問題があれば事業継続やセキュリティ上の不安につながりかねないほか、必要な情報がすぐに参照できないなどビジネス上の問題にも発展しかねません。事業のグローバル化をさらに推し進めていくのであれば、できるだけ早いタイミングでガバナンスの構築に向けた施策に取り組めるよう、ご支援したいと考えています」
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