Bizコンパス

ハイブリッドICT時代の基幹システム専用クラウド活用
2017.09.20

ビジネススピードを加速するIT基盤第4回

ハイブリッドICT時代の基幹システム専用クラウド活用

著者 Bizコンパス編集部

ソフトウェア技術により俊敏にITインフラを制御

 ネットワークが複雑化すれば、インフラの構築や運用管理はこれまで以上に難しいものとなるでしょう。加えて、モード2では新たなシステムの開発や既存アプリケーションのアップデートが急激な勢いで行われるため、さらに難易度が増すことになります。

つぎはぎ・手さぐりでは限界

 このような状況下でITインフラを適切に管理するためのキーテクノロジーとして挙げられるのが「Software Defined(SD)」です。

 「アプリケーションをソフトウェアでコントロールするように、ネットワークインフラについてもソフトウェアで管理するというのが現在のトレンドです。これによってアプリケーションからインフラまでを俊敏かつガバナンスが効いた形でコントロールし、事業サイドの要請に応えていく。こうした世界が求められていると私たちは捉えています」

インフラもソフトウェアで管理

 こうしたニーズに応えるため、NTTコミュニケーションズで提供しているのが「Software-Defined Network Service(SD-NS)」と「SD-Exchange」です。両者に共通するコンセプトは、仮想化技術を使ってサーバーやネットワーク、ストレージなどを抽象化し、ソフトウェアによって操作するという「SDx(Software Defined Everything)」であり、SD-NSとSD-Exchangeはいずれもネットワークインフラにおける課題をソフトウェアで解決します。

ハイブリッドICT環境をマネジメントするサービス
SDx(Software Defined-Everything)

 SD-NSはVPNサービスとインターネットといった複数のネットワークを利用し、通信内容に応じてトラフィックを振り分けることにより、セキュリティと柔軟性を併せ持ったコスト効率の高いWANを構築するというサービスです。特に昨今はクラウド利用の増加により、ネットワーク帯域が不足しているといったケースが少なくありません。とはいえ、安易な帯域拡大は当然ながらコスト負担が増加します。SD-NSはこういった課題を解決しつつ、ソフトウェアによる制御で柔軟な運用を可能にします。

 現在のITインフラにおいて欠かせない存在となった、クラウドと接続するネットワークの柔軟性を高めるためのソリューションがSD-Exchangeです。対応するクラウドサービスはNTTコミュニケーションズの「Enterprise Cloud」や「Amazon Web Services」などがあり、これらに接続するネットワークの一元的な管理をソフトウェアで実現しています。

IaaSの世界では基幹系システムの移行が本格化

 同様に物理サーバーをソフトウェアで制御するIaaSの世界では、ERPをはじめとする基幹系システムの運用が本格化し始めています。実際、ERPの代表的な存在である「SAP ERP」をクラウド上で運用するといった事例は続々と現れており、今後この流れが加速するのは間違いないでしょう。

 昨今では、基幹系システムの運用に特化したIaaSも現れ始めています。その1つとして戸川氏が説明したのは、NTTコミュニケーションズが提供するクラウドサービスであるEnterprise Cloudに新たなメニューとして追加された「Enterprise Cloud for SAPソリューション」です。

 「このサービスでは、Virtustream社のテクノロジー、さらにその親会社であるDell EMCのハイパーコンバージドインフラなどを採り入れています。Virtustreamは欧米において『Virtustream Enterprise Cloud』というサービスを提供している会社であり、ホステッドプライベートクラウドのカテゴリにおいて、調査会社であるフォレスターからリーダーとして評価されています。またSAP HANA Enterprise Cloudのプレミアムパートナーでもあり、SAPにも精通している企業です」

Enterprise Cloudのラインナップ

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