そしてArcstar Universal Oneの導入は無事に完了し、すでにMicrosoft Azure上で稼働しているシステムへの接続に利用されているほか、「Azure Active Directory」および「Azure AD Connect」を用いた「Office 365」のためのActive Directory環境の統合、さらにIoT機器からのデータ収集などに使われています。これらの用途で実際に利用した上で、吉田氏はArcstar Universal Oneのネットワーク品質の高さを評価しました。
「Active Directoryでの通信でトラブルが発生したことはなく、またIoT機器からのデータ収集においてもデータが欠損するといったことはありません。そのような実績から、Arcstar Universal Oneは信頼できるネットワークサービスだと実感しています」
現在、当初の想定よりも多くのシステムがMicrosoft Azureに移行し、Arcstar Universal One経由で使われるようになったことから、アクセス回線の帯域幅の拡張も検討されているとのこと。さらに今後はIT環境の安定稼働に向けて、インフラ全体の監視を強化していきたいと吉田氏は語りました。
「IT基盤としてクラウドを積極的に利用するようになったことで、チェックすべきポイントがオンプレミスのころよりも増えたと感じています。クラウド環境では単一障害点がいくつもあり、低いレイヤーからしっかりチェックしていかなければなりません。そのうえ、複数のクラウドサービスを利用するのは必須ですので、マルチクラウド環境の一元管理も行っていきたいと思います。ですから、全体を監視できる環境を整えることが今後の重要な課題だと認識しています」
さらに今後は、Arcstar Universal One の海外拠点拡大を行うとともに、NTT Comのクラウドサービスである「Enterprise Cloud」を利用し、BCMのさらなる強化を図っていきたいと吉田氏は語ります。IT環境における災害対策を含めたBCMを考えていく上で、キャタラーのこうした取り組みは大いに参考になるのではないでしょうか。