自動車用の排出ガス浄化用触媒などを製造する株式会社キャタラーは、国内(静岡県)に1カ所、海外7カ国に生産拠点を構えています。同社は、グローバル全拠点のシステムの統一化を目指すプロジェクト「i-Cataler2020」において、新たなITインフラ構築を図ります。
そのネットワークとして選ばれたのが、NTTコミュニケーションズ株式会社の「Arcstar Universal One」でした。同社が掲げたi-Cataler2020の概要や、新たなITインフラのネットワークに求められた要件などについて、株式会社キャタラー 情報システム部の吉田理朗氏にお話を伺います。
【株式会社キャタラーについて】
1967年設立。以来50年間、触媒と活性炭により、空気や水を浄化する新しい環境技術を開発し、世界のお客様に提供。特にハイブリッドカー用触媒、ガソリン・ディーゼル車用触媒などの自動車排出ガス浄化用触媒では、世界トップレベルの技術を誇る。
グローバルでの事業拡大をサポートするためのプロジェクト「i-Cataler2020」
ガソリンおよびディーゼル車、さらにはハイブリッドカー用の排出ガス浄化用触媒において国内トップシェアを誇り、グローバルでも世界トップレベルの技術を誇っているのが株式会社キャタラー(以下、キャタラー)です。
排ガスによる環境汚染を防ぐため、有害物質を排出しない独自の触媒技術を開発した同社の技術は「キャタラー品質」として高く評価されており、2015年には総合品質管理の進歩に貢献した民間の団体および個人に授与される「デミング賞」を、そして2018年には「デミング賞大賞」を受賞しています。
そのキャタラーでは、2025年までに自動車用触媒のグローバル拡販を目指す「グローバルビジョン 2025」を策定しています。この戦略をITの側面から下支えし、グローバル全拠点でのシステムの統一化を目指すプロジェクトが「i-Cataler2020」です。
i-Cataler2020の概要について、キャタラー 情報システム部の吉田理朗氏は次のように話します。
「i-Cataler2020は、スクラッチで開発しているグローバル生産管理システムである『G-CPS』、IoTの技術を活用して各工場の製造状態のリアルタイム管理をする『i-Factory』などグローバル全拠点で共用する複数のシステムから成り立っています。これらのシステムを運用するためのインフラとして、新たにグローバルIT基盤を構築する必要がありました」