ブラウザ分離の導入を検討する際、重要なポイントとなるのはアプリ仮想化サーバーの同時接続数です。1台の仮想アプリケーションサーバーを同時に利用するユーザーの最大数は、そのサーバーのリソースに左右されます。できるだけ多くのユーザーが同時に利用できるようにしたい場合、潤沢なリソースを持った高性能なサーバーを利用することになりますが、その分コスト負担が高まります。逆にサーバーのリソースが十分でなければ、同時に利用できるユーザー数が限られることになり、利便性が低下してしまいます。コスト最適化を考えた場合、サーバーのリソースを柔軟に変更できることがベストですが、物理サーバーでそれを実現することは困難でしょう。
これらの課題を解決できるのがクラウドの活用です。クラウドサービスであればリソースの調整を柔軟に行えるため、インターネットの接続数が設計当初より変化したとしても即座に対応でき、コスト最適化も図れるでしょう。
次に、接続するためのネットワークについても意識しておくべきです。ブラウザ分離は通常のWebアクセスに比べて、画面転送通信となるため、ネットワークトラフィックを多く使用します。仮想アプリケーションサーバーがクラウドに構築されている場合、ユーザーがストレスなくWebアクセスができるよう、仮想アプリケーションサーバーと端末の間のネットワーク通信環境を良好に保つ必要があります。その手段の1つとしては、ネットワーク直結型のクラウドを選択することで、低遅延で安定した通信環境を実現することが可能です。
続けて、さらに安全性を高めるためのソリューションを見ていきましょう。