2021.02.17
ニューノーマル時代に求められる顧客体験の設計第1回
消費者はコロナ禍を経て、新たなデジタル顧客体験を求めている
著者 浅井 杏子
提供側のデジタル活用は未だ“緊急時の代替手段”にとどまる
Webアンケートの結果からは、消費者のデジタル活用が急速に進む一方で、その使い勝手や内容には、必ずしも満足していない現状も明らかになりました。
「オンライン〇〇に関する経験/興味」への質問に「利用したことがあるが継続しなかった」または「未経験で、今後も利用意向がない」と回答した層への質問では、オンラインを利用しない理由について、「使い勝手が悪い」「内容に満足できない」といった回答がリテラシーや利用環境に関する回答を上回っています(図4参照)。
図4:オンライン〇〇を利用しない理由(複数回答)

この調査結果からは、サービス提供者の多くがデジタルを未だ“緊急時の(ちょっと不便な)代替手段”と捉えていて、デジタル/リアル体験のそれぞれの違いを前提とした顧客体験の再設計ができていないことがうかがわれます。
リアルの体験を単純にデジタルに置き換えようとするために、リアルで感じていた臨場感や“わくわく”感が損なわれたり、デジタルの良さである情報のコントロール性を活かせずに利用者にストレスを与えているということが考えられます。
連載一覧
第2回
デジタルとリアルを掛け合わせれば、顧客体験の価値は最大化できる