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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.09.08

スマートシティの時代

スマートシティは、人間の暮らしをどう変えるのか?

著者 藤元 健太郎

都市OSによって、コンピューター業界で起きたことが都市でも起こる

 スマートシティを日本中や世界中に広めていくためには、これからは「都市OS」という考え方が重要になると考えます。

 専用ハードに専用アプリケーションという垂直統合なサービスを投入していても、コストが高く、陳腐化しやすいデメリットがあります。しかし、パソコンのように規格などを標準化していくことで、規格に準拠しているセンサーであればどこのメーカーの製品でも良くなるし、性能が上がった場合に交換をしやすくなります。アプリケーション側はハードを意識しないで作ることができるようになります。結果的に、ハードウェアもアプリケーションもそれらの開発を担うベンチャーも、どんどん参入しやすくなります。

 また都市OSが重要なもうひとつの理由は、これからの都市においてデータ活用がとても大事になるからです。

 例えば韓国のソウル市では、バスの運行状況や今何人乗車しているかがリアルタイムで把握できます。それによってバスの路線、停留所の場所や時刻表などを常に最適化し、採算を大きく改善しているそうです。さらに深夜バスの路線を決めるために、携帯電話からタクシーを呼んだ場所、タクシーの行き先などのデータを全部分析し、深夜バスの路線を決めています。これらによって、市民ニーズにマッチしたサービス提供が可能になっています。

 このように都市の中には、生活を効率化したり、便利にするためのデータがたくさん存在しますが、日本ではまだほとんど活用が進んでいません。コロナ禍でも、人流のシミュレーションはとても大雑把でした。現在デジタルツインという概念で、都市の様々な活動をリアルタイムでシミュレーションしようという動きがでてきていますが、そのためにもデータの収集、蓄積、活用が大事になります。

 これまでは様々なサービスやアプリケーションごとにハードを設置し、データを取得し、メンテナンスもしてきたため、運用コストも高くなりがちでした。しかし、これからは例えば防犯カメラデータから取得したデータを匿名処理し、人流や交通流などのデータとして様々なサービスが共通で活用できればメリットも大きくなり、投資も効率化されます。

 かつてパソコンがマイクロソフトとインテル中心のOSで事実上標準化されたことで、大量のハードとソフトが市場に投入され巨大な業界になったように、都市OSの考え方が普及すると、巨大な新しいビジネスチャンスの市場が誕生することは間違いないでしょう。

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