NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

【重要】「Bizコンパス」サイトリニューアルのお知らせ
これからのスマートシティが備えるべき3つの要素とは?
2021.04.06

Well-Beingを最大化するスマートシティとは第3回

これからのスマートシティが備えるべき3つの要素とは?

著者 石丸 希

(3)データの地産地消

 NTTグループは米国ラスベガス市にスマートシティ化のパートナーに選ばれ、2018年9月から市内の交差点に高解像度カメラなどのセンサーを設置し、AIで分析して危険や事件を予知・予防するなどの取組を進めてきました。

 収集したデータはNTTの所有とせず、市に渡して活用してもらう、いわば「データの地産地消」を推進しています。ラスベガス市には複数のIT企業が提案していましたが、「NTT以外の大手IT企業はデータの所有権を譲らなかった」と市のCIO(最高情報責任者)は説明しています。

 自分自身がスマートシティに住み働き訪問することを想像したときに、誰がデータを集め、何に利用し、悪用されないのかという疑問・関心を持つことは当然のことでしょう。スマートシティの実現・普及に向けて、サービスの利便性・効用の喧伝もさることながら、データの適正な管理やセキュリティの確保と社会受容性との調和点を見出していくことが不可欠です。その意味で、このラスベガス市の事例は、住民と協調可能な「データの取り扱い」の参考となる取組と言えます。

要素2:世界基準のモノサシであるISOなど「国際規格の活用」

 これからのスマートシティが備えるべき2つ目の要素は、「国際規格の活用」です。

 情報セキュリティや食品安全など様々な世界基準のモノサシであるISO規格ですが、スマートシティに関する規格もあり、その中で認証制度があるものは、ISO37120とISO37106の2種類あります。

 ISO37120は、カナダに拠点を置くWCCD(世界都市データ協議会)が開発し、認証している規格であり、都市で生み出されるデータを基にして、その都市のパフォーマンスをどれだけ可視化できるかを評価する仕組みです。バルセロナやアムステルダムなど世界的に有名なスマートシティでもこのISO37120の認証を取得しており、現在世界80都市以上で認証されています。

 ISO37106は、イギリスのBSI(英国規格協会)が認証機関となっている規格であり、都市がスマートシティ化を進める際のベスト・プラクティス(あるべき開発・運用の進め方)を提示し、それに都市の開発や運用の進め方がどれだけ対応できていたか、というプロセスを評価する規格です。2014年から認証が始まり、韓国で世宗市をはじめ4都市が取得しています。

 我が国の都市では、これら国際規格の認証を取得している事例は残念ながらありませんが(2021年3月現在)、国際規格のフレームワークによってスマートシティ開発を効果的・効率的に進めることが可能となるとともに、認証取得都市として国際的なプレゼンス向上や投資誘致も期待できることから、国内都市での国際規格の認証取得の進展が望まれます。

関連キーワード

SHARE

関連記事

岸博幸氏が語る「スマートシティは“課題先進国”日本を変革する処方箋になる」

2021.04.07

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第25回

岸博幸氏が語る「スマートシティは“課題先進国”日本を変革する処方箋になる」

「DX・脱炭素」でSDGsに貢献するビジネスがある!エバンジェリストが解説

2021.03.17

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第61回

「DX・脱炭素」でSDGsに貢献するビジネスがある!エバンジェリストが解説

巻き返しなるか?日本発のスマートシティ

2021.03.10

Well-Beingを最大化するスマートシティとは第2回

巻き返しなるか?日本発のスマートシティ

欧州スマートシティの成功は、企業がデータを独占しなかったから

2021.02.03

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第58回

欧州スマートシティの成功は、企業がデータを独占しなかったから

トヨタが「Woven City」で狙うのは、DXのプラットフォーマー

2020.11.18

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第12回

トヨタが「Woven City」で狙うのは、DXのプラットフォーマー

都市課題をデジタルツインで解決する時代がすぐそこまで来ている

2020.09.30

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第50回

都市課題をデジタルツインで解決する時代がすぐそこまで来ている