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これからのスマートシティが備えるべき3つの要素とは?
2021.04.06

Well-Beingを最大化するスマートシティとは第3回

これからのスマートシティが備えるべき3つの要素とは?

著者 石丸 希

(2)コロナ防疫に見られるお国柄

 新型コロナウイルス感染症が世界各地で感染拡大(パンデミック)し、世界の社会・経済に深刻な影響を与えています。

 コロナ禍において、諸外国は防疫面でICTを積極的に活用した取組を行っていますが、これには「お国柄」がよく表われており、この「お国柄」は各国が推進するスマートシティの写し鏡であると言えます。なぜなら、重要な社会課題の解決のためにICTなど先端技術を積極的に活用した施策を実施展開することにおいて、コロナ防疫もスマートシティも違いがないからです。

 中国では、早くも2020年2月には、感染のリスク情報をスマートフォンに表示する「健康コード」というミニアプリ がアリペイのプラットフォーム上にリリースされ、全国に拡大しました。このアプリは、個人情報、居住地情報、健康情報、購買履歴、位置情報等を収集し、政府サーバーで感染リスクを計算し、リスクが高い順に「赤」「黄」「緑」の三段階で色付けしたQRコードがスマホ画面に表示される仕組みとなっています。様々な施設や交通機関で「健康コード」の提示が求められ、実質的に「デジタル通行手形」となっています。

 韓国も対応が早かった国の一つであり、2020年3月には隔離対象者の移動を監視する「自宅隔離者安全保護アプリ」がリリースされました。個人情報、健康情報、位置情報(GPS、監視カメラ、決済情報)が政府サーバーに送信される仕組みとなっています。

 台湾でも中国や韓国のような接触確認システム(電子フェンス)が利用されていますが、注目すべきは台湾中の薬局のマスク在庫が一目でわかる「マスク在庫マップ」でしょう。日本でも有名になった台湾の天才IT大臣、唐鳳(オードリー・タン)氏が作成したアプリであり、住民が自ら判断できる環境を提供するためにICTを活用したものです。

 欧米においても、感染者の動きを追跡するための位置情報の活用が検討されていますが、個人の自由・プライバシーが何よりも尊重され、憲法でも保障されている欧米諸国では、個人を特定可能なデータを政府が集中管理する形式での利活用は困難です。

 我が国においては、感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けアプリ「COCOA」が提供されていますが、氏名や電話番号、GPSの位置情報などは使わないため、匿名性が高いものとなっています。

 このように、中国や韓国(中東も多い)のように「政府が強力に主導してICT活用するグループ」と、台湾や欧米、日本のように「プライバシーに留意しつつ住民が自主判断できるようICT活用するグループ」に、大きく二分できます。

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