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早大IT戦略研究所 根来龍之氏 「日本の大企業だけがDXに後れを取っているわけではない」
2021.06.04

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第67回

早大IT戦略研究所 根来龍之氏 「日本の大企業だけがDXに後れを取っているわけではない」

著者 Bizコンパス編集部

バックヤードのデジタル化と、製品・サービスのデジタル化をわけて考えなければいけない

―― デジタル化(電子化)はできたけど、DX(変革)はできていないという話を聞きますが、教授のご意見をお聞かせください

 DXを考えるとき、バックヤード(オペレーション)のデジタル化と、製品・サービスのデジタル化は、わけて考える必要があります。例えば、コンビニエンスストアのオペレーションは高度にデジタル化されていますが、無人コンビニなどのDXサービスはあまり進んでいません。つまり、コンビニ業界はバックヤードのデジタル化は進んでいるけれど、顧客体験のデジタル化は進んでいないということです。

 その背景には、顧客がデジタル化されたサービスについて来られるかどうかという問題があります。銀行もRPAなどを使えばバックヤードは効率化できますが、通帳を無くすとか、来店客を減らすなど、すべてネットで完結させるサービスは、相当ハードルが高いです。つまり、日本企業の課題は、後者のサービス・製品をどういうスピードでデジタル化できるかにあるといえます。

―― 順番として、バックヤードをデジタル化してから、製品・サービスのデジタル化を進めるべきでしょうか

 同時にやる必要があります。製品が変わればバックヤードも変えなければいけません。オペレーションだけデジタル化しても、製品が変わったら変更しなければいけませんからね。

 ただし、製品が変わってもバックヤードが変わらないことはあります。例えば、レコード業界は流通がデジタル化してCDは風前の灯火ですが、レコード会社にはアーティストの発掘や権利処理、曲づくりなどバックヤードの仕事が残りますから、そこはデジタル化を進めても問題ありません。例外はあるにせよ、基本的にはオペレーションのデジタル化と製品・サービスのデジタル化を、完全に切り離すことはできないと思ってください。

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