NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.06.02

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第66回

企業の価値を高める「SX」とは何か?有識者が解説

著者 Bizコンパス編集部

 新型コロナウイルス感染症の流行、脱炭素・脱プラスチックといった環境制約、ブロックチェーンをはじめとする技術革新など、ビジネスシーンを取り巻く環境は、日々変わり続けています。

 このような急激な変化に対し、企業が常に新たな価値を創出し、存在意義を発揮することは、決して簡単なことではありませんが、解決の鍵は「SX」にあるかもしれません。

 SXとは「サステナビリティ・トランスフォーメーション」の略で、企業が持続可能性を重視し、収益をあげることとESG(環境・社会・ガバナンス)の両立を図ることで、経営の在り方を変革していくことを表す言葉です。経済産業省も2020年8月にSXに関するレポートを発表し、今後はSXを取り入れた具体的な経営の在り方について検討を深めていく方針を明らかにしています。

 SXは、企業の価値をどのように高めるのでしょうか? そして、SXを通じて、企業が新たな価値を創出し続けるためにはどうすれば良いのでしょうか?資源の最適運用と価値創出の最大化を目指しているアミタ株式会社(以下、アミタ)の代表取締役である末次貴英氏、量子コンピュータによる最適化を推進している株式会社グルーヴノーツ City as a Service準備室長の山本圭氏、SX実現のためのデジタル化、データ活用の解決に挑んでいるNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)のエバンジェリストである林雅之氏の3名が、SXについて語ります。

【グラフィックレコードによる、3者鼎談の内容のまとめ】

※本記事は、4月15日に行われたアミタ・グルーヴノーツ・NTT Comの3社によるオンラインイベント「情報・技術・資源の『最適化』で叶える”SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)”セミナー」における鼎談の内容をまとめたものです。

 イベントでは3者それぞれの講演も実施されており、文末に各講演の内容をグラフィックレコードにて掲載いたします。鼎談と併せてご覧ください。

SXによって、企業の社会に対する貢献度が見える化できる

アミタ株式会社
代表取締役
末次貴英氏

末次:私はSXの価値について、これまで可視化しづらかった社会の「サステナビリティ(持続可能性)」に対する貢献度を見える化できることにあると思います。これによって、社会に対して大きなインパクトを与えられるのではないかと考えていますが、林さんはどのように考えていますか。

林:私もそう思います。最近、デジタルトランスフォーメーション(DX)では、経済産業省が推進するデジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)などで見える化する取り組みがありますが、これからはSXのようなサーキュラーエコノミー(循環型経済)についても、DX推進指標のように、見える化していかなければならないと考えています。

 SXは無形資産です。SXによって、経済がどのように回っているのか、社会にどの程度貢献できているのかについて、広い視点で見える化できれば、もっと大きな価値が生まれるはずです。

末次:林さんは、SXの取り組みを広げていくうえで、どのようなことが普及のポイントになると考えていますか。

NTTコミュニケーションズ株式会社
エバンジェリスト
林雅之氏

林:SXの取り組みを経済産業省が取り組んでいるDX企業認定制度のように、推進度合を認定する、あるいは優れた企業を表彰するといったことによって、企業のモチベーションを高め、さらに世の中を盛り上げていくような仕組みが必要ではないかと考えています。経済産業省は現在、DXで実績を上げている企業を「DX銘柄」などとして選定する取り組みを行っていますが、同様のことがSXにも必要と考えます。

末次:企業の存在が、どのような形で社会課題の解決に貢献できているか、そういったことをいかにして可視化するかが重要である、ということですね。

林:そうです。というのも、SXは短期的には企業に利益を生み出しません。そのため、ステークホルダーや投資家に、数値化して評価するような仕組みがなければ、企業がSXを続けるためのモチベーションを維持することは難しいのではないかと感じています。

株式会社グルーヴノーツ
City as a Service準備室長
山本圭氏

山本:これからの時代は、企業の環境問題に対する取り組みは、単なるイメージアップ目的や、「みんながそうしたほうがいいよねと言っているからやる」ということではなく、よりシビアな経営課題になってくると考えています。具体的にいえば、近い将来、“SXに取り組んでいない会社は融資を受けられない”といった形で追い込まれてしまう可能性があると思っています。そうなってしまう前に、企業は早くSXに取り組むべきでしょう。

 そして、無形の価値をとらえるのが得意なのは、人間だと思います。そうした人々の想いや感覚に対して、データを使って裏付けていくという取り組みが重要になると考えます。

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