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Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.04.02

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第63回

味の素社のDX戦略「規模を追う経営から、DXで社会を変革するパーパス経営へ」

著者 Bizコンパス編集部

味の素株式会社 代表取締役 副社長執行役員(Chief Digital Officer) 福士 博司氏

 味の素グループは、前中期経営計画(2017-19年度)で掲げていた「グローバルトップ10を目指す」という規模拡大路線を変更し「食と健康の課題解決企業」というパーパス(志)を成長ドライバーとするパーパスドリブン企業へ生まれ変わると宣言しました。

 同社では、デジタル変革(DX)をパーパス実現の最重要ファクターと位置づけ、福士博司氏をCDOに任命。DX推進委員会、DX部を立ち上げてグローバルな経営改革に取り組んでいます。

 新たな成長戦略を打ち立てた味の素ですが、そのDX戦略はどのようなものなのでしょうか。「Japan CDO of The Year 2020」にも選出された福士博司氏に話を伺いました。

【味の素について】

「うま味」の発見を創業の礎とする味の素グループは、アミノ酸の研究・開発で世界的なリーダーシップを発揮し、世界各地域の文化に根差したビジネスを展開するグローバル企業である。同社グループは、事業を通じて社会課題を解決し、社会・地域と共有する価値を創造して経済価値を向上する取り組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称し、食と健康の課題解決に取り組んできた。そして今、社会のデジタル変容をリードするパーパスドリブン企業へと生まれ変わるべく、新たな一歩を踏み出す。

DXを4つのステップに細分化、段階的に成果を挙げて2030年の社会変革を目指す

 これまでの規模拡大路線ではなく、パーパス経営へと舵を切った味の素。福士氏はその新たな成長戦略について次のように説明します。

 「パーパスドリブン企業へ生まれ変わり、食と健康の課題を解決することは、代表取締役 取締役社長 最高経営責任者(CEO)である西井孝明による意思表明であると同時に、味の素グループの2030年に向けたミッションステートメントです。このことを2020年の統合報告書で宣言し、生活者の皆さまのユーザー体験(UX)を劇的に変革する、食の新事業を創造することを明言しました」

 味の素グループは、全社規模でDXを推進するためCEO直轄組織である「事業モデル変革タスクフォース」と「全社オペレーション変革タスクフォース」を立ち上げるとともに、福士氏をリーダーとする「DX推進委員会」を設置して主要事業本部のDXをサポートする体制を整備しました。

 DX推進の目標と取り組むテーマおよび評価指標を明確化するため、DXを4つのステップに細分化して社内外に示しています(一橋ビジネススクール 名和教授のモデル)。「DX1.0=全社オペレーション変革」、「DX2.0=エコシステム変革」、「DX3.0=事業モデル変革」、「DX4.0=社会変革」と段階的にわけられたDXを推進することで、2030年に社会変革のリーダーシップを執る企業グループになることを目指しているといいます。

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