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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.03.24

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第62回

DX成功の鍵“あらゆる組織がデータを活用できる環境”はどう実現するのか

著者 Bizコンパス編集部

“3つの池”でデータ利活用を支援する

――データの利活用によってビジネス上のベネフィットを享受するために、どういった取り組みが必要になるのでしょうか。

小澤氏 まず、さまざまなデータを取り込む必要があります。自社の基幹システムに蓄積されている売上実績、あるいは顧客情報などです。これらのデータを統合的に分析できるようにしなければなりません。さらにデータの専門家だけでなく、たとえばサービスの開発部門の方がデータを参照し、その後のサービス改善に利用できるなど、誰しもが簡単にすばやくデータを活用できる環境を整えることも必要でしょう。

 しかしながら、“誰しもが簡単にデータを活用できる環境”を実現するのは容易ではありません。情報漏えいや個人情報保護の問題はもちろん、活用の精度を上げるためにはデータの品質を担保すること、またデータに対するガバナンスを確保することも重要です。

――企業におけるデータ利活用をサポートするために、インフォマティカではどのようなソリューションを展開しているのでしょうか。

小澤氏 企業には現在、データを扱うシステムが数多くありますが、それらのデータにアクセスする際に使う言語はさまざまです。たとえばメインフレームであればCOBOL、SAPに代表されるERPであればABAPなどです。

 またリレーショナルデータベースではSQL、ビッグデータの世界でメジャーなHadoopであればMapReduceという言語があります。さらにクラウドサービスで言えばRESTがあり、古くはSOAPが使われていました。

 このようにデータにアクセスする言語はさまざまで、それがデータ連携の複雑化をもたらしています。これを1つの技術、1つのETLツールで対応するのは容易ではありません。そこで我々は、ハブ&スポークと呼ばれる疎結合のデータ連携のアーキテクチャをコンセプトに、企業のデータ活用を支援しています。

 ハブ&スポークによる疎結合であれば、どのようなデータ連携パターンであっても、すべてのデータをハブでマネージすることが可能であり、ありとあらゆるデータを扱うことができます。データ統合ハブとして「配水池」があり、マスターデータ管理の「浄水池」、そしてデータレイク管理として「貯水池」があるというイメージです。

――マスターデータ管理とデータレイク管理の役割について教えてください。

小澤氏 たとえば顧客情報について考えたとき、売上の実績値に関してはERPパッケージ、見込み情報などはCRM、顧客のアクティビティログに関してはコールセンターで管理されていることが一般的です。

 こうした状況において顧客の興味関心を多角的に分析したい場合、これらすべてのシステムの情報を集約しなければなりませんが、いくつかのハードルがあります。特に問題になるのはシステムによってマスターが異なる点で、これを解決するためにはマスターの違いを吸収するための基盤が必要になります。当社のソリューションにおいて、その役割を担うのがマスターデータ管理を行う浄水池です。

 さらに企業全体でデータを活用するためには、データを分析できる人を増やしていく必要があります。そこでデータ活用に必要な技術スキルのハードルを下げる、当社は「データの民主化」と呼んでいますが、それを実現するのが貯水池であるデータレイク管理です。

 データのショッピングモールをイメージしていただけるとわかりやすいのですが、自社の商品や顧客に関する情報を検索すると、最適化されたデータがシステムから提示されて分析に使うことができます。さらにデータレイク管理においてユーザーごとの権限管理やデータが見られる範囲の制限を行うことで、ガバナンスを担保することも可能です。

――インフォマティカのソリューションを活用した事例を教えてください。

小澤氏 ある製薬業ではオンプレミスのシステムとクラウドをハブ&スポークでつなぎ、データ連携を実現しています。同社は基幹系システムとしてSAP ERP、顧客管理にはSalesforceベースのSaaSが使われていて、両方について知見を持つ人材がなかなかいませんでした。しかし、ハブ&スポークのアーキテクチャであれば、それぞれからハブにさえ接続すればよく、両方の知見がなくてもデータ連携が可能な点が評価されています。

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