DXの潮流、CDOの挑戦
2021.03.24
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第62回
DX成功の鍵“あらゆる組織がデータを活用できる環境”はどう実現するのか
著者 Bizコンパス編集部
DXのポイントは仮説検証のサイクルを高速に回すこと
――データを活用することで、どのようなベネフィットが企業にもたらされるのでしょうか。またDXを成功させるためのポイントや取り組むべきことについても教えてください。
林氏 データは幅広い領域で活用することが可能です。たとえば経営層であれば経営判断にデータを活用する、営業やマーケティングであれば顧客獲得やコミュニケーションの深化などが考えられます。またサービス部門においては革新的な新規サービスの創出、オペレーション部門であれば自動化や最適化、そしてプロフィットセンター化に向け、データは大きな価値をもたらすでしょう。
DXを成功させる上でも、データは極めて重要な存在です。経済産業省が公開している「DXレポート2(中間取りまとめ)」を見ると、DX成功の鍵として、顧客中心の考え方に加えてデータドリブンな意思決定やビジョンの提示といったデータ活用の重要性が指摘されています。
小澤氏 今後はDXによって顧客接点が大きく変わり、またサービスモデルも従来とは大きく異なるものになる可能性があります。このような変化に対応していく上で、超高速な仮説検証が極めて重要であり、そこで大きな役割を担うことになるのがデータです。
たとえば新しいサービスを提供する際、そのフィードバックからサービスを改善するケースがあります。従来であれば、サービスを利用している人にアンケートを行うといった方法が一般的でしたが、現在はSNSなどからフィードバックを得るといったことも当たり前になりつつあります。
今後は、あらゆる方法で幅広くデータを収集し、仮説検証を行ってサービスの改善や新規開発につなげていく必要があり、そのサイクルを高速に回すことがDXにおいて重要なポイントになると見ています。