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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.03.17

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第61回

「DX・脱炭素」でSDGsに貢献するビジネスがある!エバンジェリストが解説

著者 Bizコンパス編集部

すでに仕組みはできつつある

 境野氏が所属するNTT Comイノベーションセンターでは、先に挙げたデマンドレスポンスを実現するための取り組みをいち早く進めてきました。2011年の東日本大震災後、経済産業省が行ったデマンドレスポンス実証事業に、NTT Comは東京電力、エナジープールなどと一緒に参画。デマンドレスポンスの国際標準通信インターフェイス「OpenADR」を利用し、電力事業者、アグリゲーター、利用者間のデータ連携を自律的に制御するデータプラットフォームを構築したほか、複数ビルの電力消費量を監視しデマンドレスポンスに柔軟に対応できるクラウド型のビルエネルギーマネジメントシステムを建設会社などと共同開発し技術実証を行いました。

 境野氏によれば、その当時から蓄積してきた知見やノウハウを生かして、NTT Comのスマートシティプラットフォームが開発され、高度なエネルギーマネジメントの機能が実装されていると解説します。

 「具体的には、過去の電力消費量の蓄積データをもとに電力消費量の傾向を分析し、未来の街の電力消費量を予測する『データドリブン』機能と、酷暑や豪雪などで突発的に街の電力消費量が増加するなどリアルタイムに起きるイベントをトリガーにして電力の使用量を調整できる『イベントドリブン』の機能を組み合わせたユニークなプラットフォームを開発しています」

 境野氏は、今後はNTTグループが所有する通信ビルやデータセンターの節電容量も活用した電力需給調整の実証実験を行って、商用サービス化を検討していきたいといいます。

 「電力需給が逼迫した際に通信ビルやデータセンター内の設備やコンピューターを節電モードに切り替えて運用し、周辺地域の電力需給を安定させる取り組みを進める計画です。再生可能エネルギーの発電量に合わせて電力の需要量をコントロールするシステムの事業化に向け、コストや効率性を検討する実証実験も計画していきます。

 さらに日本全国で必要な量の再生可能エネルギーを安定供給できる基盤づくりも必要になるため、太陽光や風力、バイオマス燃料などの分散型の発電所と、同地域内の節電容量を束ねた仮想発電所(バーチャルパワープラント)を組み合わせて、広域でのエネルギー制御の支援も行います。

 多岐にわたる取り組みとなるため、スマートシティに関わる設備やソフトウェアの開発・運用サービスに関わる事業者の皆さまの力を借りながら一緒に取り組みを進めていきたいと思っています」

 IoTやAIとデータ連携基盤を組み合わせるスマートシティのエネルギーマネジメントシステムが提供されれば、再生可能エネルギーを効率的に活用するための新しいビジネスが幅広い産業で次々に生まれ、“地産地消”の再生可能エネルギーで産業や生活を支える社会が実現する日も遠くはありません。ESG投資への対応やSDGsに関連する新規事業開発を検討している企業にとっても、「再生可能エネルギーを活用するスマートシティ」は今すぐ取り組みを開始すべき注目テーマのひとつといえるでしょう。

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