新たな事業の創出や業務効率の大幅な向上、あるいはデジタル技術を用いて市場に破壊的な変化をもたらすディスラプターへの対抗など、さまざまな目的から多くの企業でDXが進められています。
しかし、取り組みが盛んになる一方で、DXを推進しているものの成果が得られていない、あるいはPoCの段階でプロジェクトが止まってしまっているというケースも散見されます。
このDXがうまくいかない要因の一つが「データ」にあります。DXは「データ」が起点であり、「データ」の適切な活用ができているか、がDX推進のカギとなります。
では、このようなデータにまつわる課題はどのように解決すればいいのでしょうか。データ利活用を阻む要因や、データの分析・活用方法について、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の飯塚淳史氏とNTTリミテッド・ジャパン株式会社(以下、NTT リミテッド)の粂川奈穂氏が解説します。
コロナでDXはさらに加速している
今やDXは単なるトレンドではなく、重要な経営課題として取り組むものという認識が広まりつつあります。実際にNTT Comが行った調査では、77%の企業がDXに取り組んでいると回答しました。また、みずほ情報総研株式会社では、将来的には従来型ITサービス市場よりもIoT/AIといったデジタル技術を用いた市場が主流になると予測しています。


NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス本部
デジタルプラットフォームサービス部
サービスクリエーション部門 担当課長
飯塚淳史氏
※本取材はWeb会議にて実施しました
さらにNTT Comの飯塚淳史氏は、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で、デジタルテクノロジーを活用した事業や、業務の見直しを積極的に進めている企業が増えていると指摘します。
「新型コロナウイルスの感染症が拡大した当初は、リモートワークをはじめとする働き方改革につながる投資が増加しました。その後は、デジタルテクノロジーを用いたビジネス領域の見直しや新規事業の検討、もしくは顧客接点をフェイス・トゥ・フェイスからオンラインにシフトするなど、DXにつながる投資が拡大しています」