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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.01.13

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第57回

経済産業省が「GビズID」で目指す“行政サービスの100%デジタル化”

著者 Bizコンパス編集部

GビズIDは約10カ月で20万IDを達成

 GビズIDは無事に開発が完了し、運用フェーズに移行。すでにさまざまなサービスに対して認証機能を提供しています。この連携について、経済産業省の及川有紀氏はスムーズに進められていると評価します。

経済産業省
情報プロジェクト室
及川有紀氏

 「複数の行政手続きのシステムとGビズIDを連携していますが、これまで連携したシステムの開発に携わった方々には概ね満足していただいています。GビズIDと連携するシステムは今後も増やす予定で、すでにいくつかの開発も進められています」

 2020年12月時点でGビズIDプライムは約25万のアカウント発行を達成し、すでに多くの事業者が補助金申請や社会保障手続きに利用し始めています。またGビズIDに対応した複数のシステムを利用しているユーザーも少なくないといい、複数のシステムのIDを1つに集約するというGビズIDがもたらすメリットは広まりつつあります。

 また新たなシステムを構築する際、その認証部分としてGビズIDを使うという効果も生まれています。

 「海外渡航者向けに新型コロナウイルス(COVID-19)のPCR検査が受けられる医療機関を検索・予約できる経済産業省のサービスである『TeCOT』は、GビズIDを使ってユーザー認証を実施していますが、その連携部分の開発は1カ月以内で完了しました。このスピード感もOpenID Connectという標準プロトコルを利用するメリットだといえます」(及川氏)

 さらに省をまたいだ取り組みとして、農林水産省が新たに構築する、GビズIDと同様の認証基盤との連携に関しても検討が進められているようです。

 「農林水産省では、IDに対して我々とは異なる属性情報を付加するという要件があります。そこで、我々のGビズIDと連携しつつ、農林水産省側は独自の属性情報を付加するといった仕組みを検討しています」(満塩氏)

経済産業省
情報プロジェクト室
早川香織氏

 今後について、経済産業省ではGビズIDのアカウントを増やすための施策を積極的に進めていく意向です。経済産業省の早川香織氏は、さらに使い勝手を高めていきたいと展望を述べました。

 「現状ではどうしても紙の審査が発生しているので、ここをなるべくはやく改善できればと考えています。もちろん簡単ではありませんが、行政サービスを利用したいと思ったときにすぐにアカウントを作成することができれば、もっとユーザーの方々にとって使いやすいものになると考えています」

 デジタル・ガバメントの実現を考えたとき、事業者を特定するユーザー認証は重要な機能です。そこで使える汎用的な認証基盤として、GビズIDの運用がスタートしたことで、「行政サービスの100%デジタル化」が実現に近づいたのは間違いありません。このGビズIDを含め、Gビズスタックで実現される各機能がデジタル・ガバメントの実現にどのように貢献するのか、今後の動向に注目です。

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