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Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2020.10.21

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第53回

未来の製造業のヒントが体感できるショールーム「スマラボ東京」オープン!

著者 Bizコンパス編集部

スマートファクトリーの世界標準を獲りにいく

 かつては「ものづくり大国」として世界を席巻した日本の製造業ですが、現在は海外メーカーの台頭によってシェアを奪われています。しかし、巻き返すチャンスは十分にあると天野氏は考えています。

 「日本のものづくりは、日本が世界に誇るマンガ文化に通じるところがあります。たとえば人気漫画作家は1人で百人以上のキャラクターを作品に登場させ、伏線を10年かけて回収するような物語を描きます。このような複雑なピースを組み合わせ、思考して組み立てていく能力に日本人は長けています。

 依然として数万点、数十万点の部品点数で構成されるクルマや複写機などの精密機械の領域では日本は世界一です。日本のものづくりは、そのような領域で世界を牽引し続けると思っています」

 しかし、現在はものをつくれば売れる大量生産の時代ではありません。急激な変化への対応が必要となる不確実性の高い時代においては、DXの視点から全体最適を図るものづくりへシフトすることが重要です。しかし、天野氏はスマラボ東京やTeam Cross FAの取り組みはDXのみにとどまらないと強調します。

 「私たちが見据えるゴールは、“スマートファクトリーを作る”という新しい産業で外貨を獲得することです。そのためには、日本におけるものづくり産業のグローバル化やオープン化、モノからコトへの転換をさらに推進し、世界中の製造業に対して影響力を発揮できるチームに成長しなければならないと考えています」

 天野氏はこのような遠大なゴールを見据え、現在の進捗状況を「15%程度」だと分析します。

 「現在、建設中の福島県南相馬市の工場が予定通り来春に完成すれば、達成度は50%になります。なぜなら、今回ご紹介した生産ラインの取り組みが工場全体の規模に拡大し、DXによるスマートファクトリーの全景がお見せできるようになるからです。

 最終的に狙うのはエネルギーの供給までを含めたスマート工業団地を実現することです。地方都市にスマート工業団地ができれば法人税や住民税の増収になり、雇用も増えるでしょう。しかもスマート工業団地のノウハウを海外に輸出できれば外貨も獲得できる。こんなにいいことはないですよね」

 企業の規模が大きくなるほどDXが進まなくなる大きな理由は、縦割りの組織構造で部門間の距離が開き、歩み寄りができないことにあります。このような問題の解決には、外部のスペシャリストの力を借りることも効果的です。ダイナミック・ケイパビリティにつながるDX推進に向けて、ものづくりで世界と互角以上に戦う熱い情熱をお持ちであれば、一度、スマラボ東京を訪ねてみてはいかがでしょうか。

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