NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2020.09.30

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第50回

都市課題をデジタルツインで解決する時代がすぐそこまで来ている

著者 Bizコンパス編集部

 2018年、国際連合は「2050年に人口の68%が都市部に集中する」という予測を発表しました。もちろんこれは世界規模の話ですが、日本も例外ではありません。コロナ禍によって不透明な状況ではあるものの、地方では高齢化と過疎化が進み、若い世代は就業機会や利便性を求め、ますます人口が都市部に集中しています。

 都市部に人口が集中すれば、これまでさほど問題にならなかった都市の居住性が損なわれてしまう可能性があります。エネルギー利用の効率化、CO2排出の削減、犯罪・テロの抑止、経済の活性化など、解決すべき課題は山積みです。

 これらの課題を解決するために、注目を集めているのが「Smart City」です。日本では、内閣府・総務省・経済産業省と国土交通省が連携し、「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と定義しています。

 これまで、さまざまな都市開発プロジェクトのICT環境を構築してきたNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)では、Smart Cityの実現に貢献するため、2019年10月にスマートシティ推進室を設立。過去の都市開発プロジェクトで培ってきたノウハウを生かした取り組みを進めています。

 NTT Comが「Smart World」構想で掲げる、7領域のうちの1つでもあるSmart City。同社が描く未来の街づくりとはどのようなものなのでしょうか。スマートシティ推進室 室長の加賀淳也氏、副責任者の田畠孝之氏に聞きました。

リアルな都市課題をバーチャルで解決する

 スマートシティ推進室は誕生して1年余りですが、その取り組みのルーツは2000年代初頭にさかのぼります。加賀氏は当初はインテリジェントビル内の配線やLAN、PBX、入退室管理システムといったビルインフラ構築からのスタートだったと振り返ります。

NTTコミュニケーションズ
株式会社
ビジネスソリューション本部
事業推進部
スマートシティ推進室 室長
加賀 淳也氏

 「もともとはビル内に限定したインフラづくりを行っていたのですが、情報設備のIP化に伴い、セキュリティカメラ・IP電話・Wi-FiといったICT設備のネットワーク統合を手がけるようになりました。代表的なものは、東京スカイツリータウンや東京ミッドタウンなどのインフラ構築です。

 近年ではAIやIoTの普及に伴いデータの収集や分析といったデータ利活用のエリアがビルのみにとどまらず街にまで広がっています。同様にICTの進展に伴い私たちの手がける領域も拡大していき、これまでの実績を集約したスマートシティ推進室が誕生しました」(加賀氏)

 NTT ComのSmart Cityの強みは、多くの都市計画プロジェクトに関わってきた豊富な実績にあります。加賀氏は、長年培ってきた不動産・建築業界とのコネクションや、多くのプレイヤーが共創する都市開発プロジェクトをマルチベンダーとして取りまとめてきた経験などが、新たな街づくりに生きてくると考えています。

 「一般的な都市開発プロジェクトはシステムが縦割りで、プレイヤー相互の連携が図りづらい傾向にあります。しかし、マルチベンダーである私たちであれば、その立場を生かし、相互連携の横串を通すことも不可能ではありません。Smart Cityでは企業や自治体など、多くのプレイヤーを巻き込んだプラットフォームでの横断的なデータ利活用が前提となると考えられるため、私たちのような存在が必要になると考えています」(加賀氏)

 Smart Cityを実現するためには、ゼネコンやデベロッパーなどと一緒に、街ごとに異なるコンセプトに沿って解決すべき課題を考えていく必要があります。そこでNTT Comが担うのは、ICTのプロフェッショナルとしての強みを軸にしたデジタルツインを活用した街づくりです。

 「私たちは『デジタルツイン』を活用した“人々が幸せになれる街”を目標に掲げています。その実現のため、街を統合するネットワークや共通化されたプラットフォーム上に幅広いシステムやデータを集約し、相互に連携させて効率的な街の機能を提供したいと考えています。

 そのプラットフォームには、従来のデータドリブン型に加えてイベントドリブン型の処理を可能にするアーキテクチャーを採用する予定です。最終的にはデジタルツインやリアルな街のデータを活用したバーチャルな街をつくり、サイバー空間上で人、モノ・コト、街、コミュニティがつながり合い、現実社会だけでは解決できない、複雑な課題解決や革新的なサービスの創出を目指しています」(加賀氏)

Smart Cityが描く世界感(デジタルツイン)

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