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DXの潮流、CDOの挑戦
2020.09.23

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第47回

製造業に共通する無駄の多い業務は Smart Factoryでシェアできる

著者 Bizコンパス編集部

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本の景況は下降線をたどっています。これまで日本を支えてきた製造業も例外ではなく、従来から顕在化している人手不足や、ものづくりだけでは付加価値創出が困難であることに加えて、需要低迷や感染防止のために操業を停止する工場が相次いでいます。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、グローバルサプライチェーンの寸断リスクが顕在化するなど、日本の製造業が抱える課題は山積みです。

 こうした不確実性がますます増している厳しい環境下においても事業を継続していく上では、With/Afterコロナを見据えた対策を講じなければなりません。その手段の一つとして注目を集めているのが、デジタル技術を用いて生産現場の最適化、効率化を実現する「スマートファクトリー」です。

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)ではかねてより、製造業のデジタライゼーションに注力。「Smart Factory」という概念を掲げ、日本の製造業のスマート化をサポートしながら「新しいモノ・サービスづくり」に貢献してきました。NTT Comが掲げている「Smart World」構想の中でも、「Smart Factory」は重要な一角を担います。

 今回はNTT ComのSmart Factory推進室の室長である赤堀英明氏を招き、これからの日本の製造業の課題とデジタルトランスフォーメーションによる解決の方向性について話を聞きました。

「Smart Factory」は工場内に閉じない

 Smart Worldを構成する7つの推進室でも最大規模、50名以上のメンバーで構成されるのがSmart Factory推進室です。室長の赤堀氏は、発足のきっかけは「社会課題と顧客課題の解決」にあったと説明します。

NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 Smart Factory推進室 室長 赤堀 英明氏

 「私たちは製造業の抱える課題をマーケットインの発想で解決する“顧客志向”を第一に掲げ、解決によって創出される付加価値までを見据えて取り組みを進めています。具体的には半歩先の実装の在り方に知恵を絞る“未来志向”、自社にとらわれず多様なプレーヤーを巻き込んでいく“オープン志向”、そして日本のものづくり産業全体を底上げする“プラットフォーム志向”を指針としています。ものづくり産業に携わる方が広く、参加しやすい仕組みを作ることがSmart Factoryの狙いです」

 また製造業におけるNTTグループのポジションを変えることも志向しているといいます。

 「産業オートメーション分野における標準規格OPCの開発維持を行なっているOPC Foundation(日本OPC協議会)、そして、RRI(ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会)に参画して、会員企業との情報交換や議論をしています。NTTグループが、製造業の領域でもっと貢献できることがあるのではないかと考えているためです」(赤堀氏)

 こうした取り組みの背景にあるのは、日本の製造業を取り巻く環境の激変です。欧州発のデジタル技術による第四次産業革命の進展、グローバル化が進む一方で高まる保護主義の潮流など、赤堀氏はこういった変化に対応するためには2つの主要課題を解決する必要があるといいます。

 「1つ目の課題は、製造業における量的かつ質的な人材不足です。それを解消するための現場作業の省力化や、従来のものづくりから新たな付加価値を持ったサービスにシフトする業態の変化も視野に入れる必要があります。

 2つ目の課題は、グローバルなサプライチェーンやバリューチェーンの見直しです。世界的な保護主義の高まりに加え、昨今のコロナ禍による諸外国のロックダウン(都市封鎖)がサプライチェーンやバリューチェーンにも影響を与えています。今後はより安定的なサプライチェーンを維持するために、国内回帰を含めた生産拠点の見直しなども検討していく必要があるでしょう」

 一般的なスマートファクトリーとは、インダストリー4.0に代表される「工場内」のあらゆる機器をインターネットに接続して品質や状態を見える化し、データを活用したものづくりを推進するものですが、Smart Factory推進室が貢献していく範囲は工場内に限定しないと赤堀氏は明かします。

 「通信キャリアとしてのNTTグループの強みを生かし、国内外の工場と工場、企業間など、工場の外側をつなぐ仕組みを提供しながら、グローバルのサプライチェーン、バリューチェーンに課題を抱えるお客さまをトータルに支援していきたいと考えています。

 たとえばクローバル展開を図る製造業にとって、欧州は外せない地域です。欧州で事業展開されているお客さまをスムーズに支援するために、昨今、欧州で実装計画が進むデータガバナンスの仕組み『GAIA-X』に接続するための実証実験など、日本と欧州を円滑につなぐ準備も着々と進めています」

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