2020.09.11
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第45回
「2025年の崖」はすでに到来している!?経産省に聞く、コロナ時代のDXの進め方
著者 Bizコンパス編集部
コロナ危機は、DXを推進するチャンスである
ビジネスのデジタルシフトとともに、レガシーシステムの刷新へも対応しなければいけない中で、企業がDXを推進していくためのキーワードの1つが「危機感」だと田辺氏はいいます。
「2025年というのは昭和100年にあたります。レガシーシステムが西暦を正常に認識できなくなる『2000年問題』は切り抜けられましたが、昭和100年問題は間違いなく切り抜けられないと言われています。
事業継続の側面からは、中小規模の製造業の例があります。海外から安い製品がドンドン入ってきて品質もそれほど悪くないために苦境に陥っていたある企業では、熟練工による溶接などの手作業を、デジタルで効率化するために、社長自らレーザー技術などについて“どこまで使えるんだ”とハングリーに研究し、そのアイデアをベンダーにぶつけるなどで現場のDXを推進しています。事業を続けるための強い危機感が、デジタル技術に正面から向き合うモチベーションになっているのだと思います。
DX(Digital Transformation)のトランスフォームは“変わる”という意味ですが、今回のコロナ禍で、あらゆる企業が変わらざるを得ない状況となりました。テレワークひとつをとっても、これまではIT部門が経営層に投資を訴えてもなかなか進まなかった話が『対応しなければ感染者が増えてしまう』という危機感から実現に至り、それをやり遂げたことによって成功体験を得た企業もあるでしょう。
そういった意味で、新型コロナウイルスはDXに取り組む上でのチャンスという見方もできます」