新型コロナウイルスの感染症拡大を受け、政府が学校に臨時休校を要請したことにより、日本全国で一気にリモート学習の機運が盛り上がりました。しかし休校が明けてからは、リモート学習の利用率が下がっているといいます。
「それでも、休校期間中にリモート学習のメリットは十分に浸透したようで、緊急事態宣言の前後で考えると、教育プラットフォームの利用者やアクセス数は急増しています。プラットフォーム上でコロナ期間ならではの新たな学習モデルも多く生まれており、今後はそのような優良事例を分析して新たなモデルケースをつくり、全国の小中学校に水平展開していきたいと思っています」(宮川氏)
現在、日本には約900万人の小中学生がいます。宮川氏の目標は、この市場で半数を超える500万ユーザーを獲得し、日本の教育プラットフォームのスタンダードを目指すことです。
「今後も数多くのコンテンツ事業者と協業することによって、お客さまに求められるものを可能な限りそろえていく計画です。より良い先生の指導、児童・生徒の学びのためにできることを、常に第一に考えています。
加えて教育プラットフォーム自体もお客さまの要望をもとにどんどん改修して、中身を向上していく必要があります。私たちは3年半かけてクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」の改善を重ねてきました。平均すると2週間に1回の頻度で、何らかのアップデートを行ってきました。現場の先生たちの声をうかがい、ここまで積み上げてきた実績とノウハウはアドバンテージだと感じています」
日本の教員や教育システムが優れているという宮川氏の思いは変わりません。しかし、現在の子どもたちが社会に出る20年後の変化を見据えた取り組みが必要だといいます。
「20年後の世の中は大きく変わっているはずです。その時代を大人として生きる、現在の子どもたちの教育がどうあるべきかを国や全国の教育委員会の方たちと一緒に並走し、考えていきたい。主役は子どもたちであり、学びの機会を求める大人でもあります。すべての学習者を徹底的に支援し続けることが使命です」