DXの潮流、CDOの挑戦
2020.08.05
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第43回
約6割の日本企業は、Afterコロナを見据えた取り組みができていない
著者 Bizコンパス編集部
大規模アンケートから見えてきたコロナ対応の実態
4月、5月に合計約2,000名規模のオンラインセミナーを開催した際、大植氏は参加者にアンケートの協力を呼びかけました。コロナ禍におけるDXの進捗状況を中心としたもので大企業を中心に300社、400名ほどの回答が得られました。そこで見えたコロナ対応の実態は非常に興味深いものだったと明かします。
「まず新型コロナウイルスで受けた影響として、約7割は売り上げが大きく減り、約9割は営業活動の遅れを気にしています。次に足もとの対応についてですが、経営トップがメッセージを発信しているが8割、働き方や社員の士気向上の取り組みを進めているという回答も高い数値となりました。約8割の企業がコロナ後は事業環境が大きく変わると予想しつつも、経営戦略や事業計画を見直す、積極的に投資するとの回答は約3割にとどまりました」

日本企業のコロナ対応の現状
With/Afterコロナへの取り組みについて掘り下げた分析も行っています。大植氏は、足もとの対応ができている8割・9割の回答者を細かく分類すると5つのレベルに分類できると解説します。
「レベル1は『漂流型』で、少数ですがあまり対策を売っていない企業です。いちばんのボリュームゾーンはレベル2の『ToDo型』。目先のことには対応できていても中長期的なビジョンは描けていない。たとえば3カ年の戦略の抜本的な見直しまでには至っていない企業です。
レベル3は『ToBe型』で、投資の計画や中長期の戦略にまで踏み込んでいる企業です。レベル4、レベル5の12%がコロナ環境下でDXに着手している企業で、台湾レベルまで踏み込んだ施策を行っている企業は全体の3%ほどでした。こういった回答も踏まえて、企業のDX戦略のフレームワークをまとめました」

取り組みの進捗度による分類
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