2020.04.07
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第37回
DXが進まないのは、一般道にレーシングカーを走らせているから
著者 Bizコンパス編集部
アウトソースするならガバナンス強化は欠かせない
このようなアウトソースする際の有効な対策として挙げられるのが、「ガバナンス強化」です。
クラウドとオンプレミスを併用するハイブリッド環境においては、「見える化」「インサイト」「コントロール」という3段階のステップでガバナンス強化を進めていくのがセオリーになります。
まず「見える化」は、これまで熟練のITエンジニアにしか把握できなかった運用監視などの状況を改善することです。誰もが状況を把握でき、対応できる「見える化」を実現することで、属人化から脱却し、運用監視の効率化を進めていきます。
続いて着手すべき「インサイト」は、IT基盤のリソースを「CMDB」(構成管理データベース)に集約し、ビジネスアプリケーションとインフラなどのリソースをひも付けて管理することです。これによりコスト分析やSLAパフォーマンス管理ができる状態をつくります。
そして締めくくりとなる「コントロール」では、ビジネスの要求に合わせてアジャイル開発やQA(品質保証)、デプロイができようになるなど、ビジネスプロセスの自動化を行います。さらにサービス利用に合わせて、ユーザー部門へコスト配賦をすることが最終的なゴールになります。
まとめると、アウトソースしたIT基盤の状況を、的確に把握するために適正な管理を行い、プロセスの自動化を進めることによって、使い勝手を向上する仕組みづくりを進める必要があります。
連載一覧
第58回
欧州スマートシティの成功は、企業がデータを独占しなかったから