デロイト トーマツ グループは監査、税務、法務、コンサルティングといった幅広いプロフェッショナルサービスを提供しています。
近年のデジタライゼーションの進展に伴い、同社の顧客を取り巻く環境は大きく変化しました。とりわけグローバルエリアでの顧客案件の増加に起因し、スピーディかつ的確なサポートや知見の提供が求められるケースが増えています。
こうした状況を受け、同社ではバイリンガル人材が増加、海外提携法人との共同プロジェクトも増えており、翻訳ニーズが急増したといいます。
従来より自社内に翻訳専門の部署を有していたものの、増え続ける翻訳ニーズに人の手だけで対応するには限界がありました。この課題の解決を目指し、同社が検討したのがAI翻訳サービスの導入です。
【デロイト トーマツ グループについて】
1968年、日本全国規模の初の監査法人として設立。現在は国内30都市以上に1万名以上の専門家を擁する日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループとして、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務・法務などの幅広いサービスを提供している。
URL:https://www2.deloitte.com/jp/ja.html/
どうして、社内の翻訳部署の仕事が回らなくなったのか?
デロイトトーマツグループの真鍋幸二氏は、顧客ニーズの変化が同社の社内業務を変革させる契機になったと語ります。
「変化する顧客ニーズに対応するため、グループを統括するコーポレート機能(部署)の主導で社内業務を効率化、高度化するプロジェクトを立ち上げました。ITや自動化ツールを積極的に導入し、本来のプロフェッショナル業務に稼働を集中させて、グループ経営のさらなる強化を進めます」

取り組みの一環として、導入の検討が進んでいたのがAI翻訳サービスです。かねてより同社ではグループ内の翻訳サービスを一手に請け負うDLS(Document & Language Support)という部署が設けられていました。近年、海外の提携法人と協力して事業を進める機会が増え、さらにグループ内のバイリンガル人材が増加。デロイト トーマツ グループの安本真那氏は、自身の所属するDLSの負荷が増大していたと振り返ります。
「DLSでは年間11,000時間の稼働をかけて翻訳業務にあたっていたのですが、さまざまな要因により人手では対応できないボリュームの依頼が舞い込んでいました。潜在的な翻訳ニーズを含めると、おそらくDLSの許容量の10倍近くに達しており、これらのオーダーすべてに対応するためにAI翻訳サービスの導入検討を開始しました」

さらにDLSに加えて、全国の拠点でも便利な翻訳サービスを求める声が急増。グローバル規模の事業を推進する顧客からスピード感のある対応が求められるケースが増え、DLSへの依頼だけでなく「(各組織が)自分たちで対応したい」というニーズも生まれていました。