DXの潮流、CDOの挑戦
2020.02.12
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第31回
「事業部もデジタル予算を管理すべき」ビジネスを変えるIT投資を、内山悟志氏が提言
著者 Bizコンパス編集部
ITとデジタル推進、部門のすみ分けが課題
――DXに取り組む際、IT部門やデジタル推進部門はどのように対応すべきでしょうか。
内山:これまでIT部門は「社内システムの企画と開発・運用をしっかりやります」「要件として定められたものをきっちり開発します」という行動様式だったわけですが、DXはそれと真逆です。
「失敗してもいいからとにかくたくさん試す」「途中で軌道修正しても構わない」あるいは「アジャイルに迅速かつスモールスタートで開発を進める」といったやり方は、これまでのIT部門には文化としてなかったわけです。
こういった異なる2つの特性をどう両立させていくべきかについて、多くの企業が悩んでいます。「IT部門のバイモーダル化」と呼んでいますが、両方に対応できるようにどう組織を変えていくかがIT部門の昨今のテーマになっています。
――IT部門は、システムの運用保守などの既存業務に加えて、2025年に向けたERP改修や、セキュリティ強化にも取り組まなければいけません。
内山:確かにやるべきことが多く、DXに十分な人を割くことができないのが多くの企業の現状です。そのためIT部門とは切り離した「DX部門」や「デジタル推進部門」を立ち上げ、IT部門は従来のシステム開発や運用を担当するというすみわけになっている企業が多いです。こうした状況は、しばらく変わらないと思います。