2020.02.05
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第29回
2020年は予算をどう使うべき?内山悟志氏が「5つのITトレンド」で解説
著者 Bizコンパス編集部
セキュリティでの「デジタルトラストの確立」
内山:4つ目のキーワードは、セキュリティ分野における「デジタルトラストの確立」です。すでにさまざまなIoTデバイスがインターネットに接続されています。工場のLANも、センサーなどのIoT化によってインターネットや情報系ネットワークに接続されるようになり、外部から侵入されるリスクが生じています。
その傾向は、コンシューマー領域においても同じです。たとえばコネクテッドカーが社会的に広まると、それを狙ったサイバー攻撃が発生し、最悪の場合は自動車が暴走して乗員に被害が及ぶことも考えられます。
――企業のIT投資において、今後IoTデバイスを始めとするモノのセキュリティは重要視すべき課題になるということですね。
内山:その通りです。セキュリティ対策をすべき範囲が急激に広がっていることから、企業ではCSIRT(セキュリティ対策チーム)やSOC(セキュリティ監視センター)の設置や自社でのセキュリティ人材の育成を進めています。しかし、多くの時間とコストがかかるため、CSIRTは自社で構築し、SOC機能はセキュリティベンダーへアウトソーシングする動きが一般的になるでしょう。