DXの潮流、CDOの挑戦
2020.01.22
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第27回
全米最高のCDOが語る「CDOのミッションとDX成功の秘訣」
著者 Bizコンパス編集部
DX成功の秘訣は、最初に困難なチャレンジに挑むこと
一方で課題もありました。サンダーピア氏がCDOに就任した当時のコンデナストは、紙媒体を中心にビジネスを展開していたため、社員のビジネススピードが遅く、デジタル化についていけない状態だったのです。
「CDOは事業の成長だけではなく、人々を成長させ、組織を変革する役割を担っています。特にコンデナストのような歴史ある組織では、社員が変化に対する不安を抱きがちです。トランスフォーメーションのリーダーであるCDOは、社員と1対1で現状の課題とこれから起きる変化、将来のビジョンをしっかり説明し、信頼を得ることが必要です。それを繰り返し行うことが、会社の目的を迅速に達成することにつながります」
サンダーピア氏は、日本でDXを主導するCDOに向けて以下のメッセージを送ります。
「最初に最も重要かつ困難な課題に取り組むことがDXを成功させる秘訣です。一般的にCDOは社員のプレッシャーを取り除くため、早く成果が上がる課題から取り組みがちです。しかし、すぐに成果が上がる課題は、いつでもクリアできるので最初にやる必要はありません。困難な課題には、それを困難にさせている原因があります。その困難さは、競合にとっても同様ですから、その困難を乗り越えればマーケットをリードできます。
私はコンデナストでも、最初に最も困難な課題に取り組みました。最初に困難な課題をクリアしたので、残りの簡単な課題は軽くクリアできました。
変革を行う主体はテクノロジーではなく、人だということを忘れないでください。時間をかけて人々との関係性を打ち立てること、それがDXを成功に導く最も重要なポイントです」
サンダーピア氏は、DXの成功は社員の信頼を得ることにあると改めて強調し、講演を締めくくりました。