DXの潮流、CDOの挑戦
2019.11.06
デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第23回
ラグビー日本代表を躍進させた「スポーツデータ利活用」の最前線
著者 Bizコンパス編集部
スタジアムの臨場感を“丸ごと”再現!?
今回のフォーラム開催は、RWC日本大会の開催期間中だったこともあり、庄司氏と加藤氏はラグビーの話題で盛り上がりました。
庄司氏は、「弊社のラグビーチーム『ShiningArcs』でも日頃からデータを活用したチーム強化に取り組んでいます。選手はGPSを装着し、練習中の運動量及びコンディショニングの把握、試合におけるゲームプランの策定、メンバー交代のタイミングなどにデータを活用しています」と自社ラグビーチームにおけるデータ活用について言及。続けて、スポーツ中継において“超高臨場感”を実現する通信技術『Kirari!』を紹介しました。
「Kirari!」は、NTTの研究所が開発した映像通信ソリューションです。映像と音をリアルタイムで複合する技術によって、選手の躍動感やスピード、競技者の声やピッチを駆ける足音、湧き上がる歓声など、スタジアムの空間を丸ごと再現することができます。
庄司氏は、2019年5月に開催されたJリーグ「鹿島アントラーズ×ヴィッセル神戸」戦を「Kirari!」でパブリックビューイング会場に伝送した事例を紹介しました。
「複数台の4Kカメラを設置して競技場全体を分割撮影し、リアルタイムにつなぎ合わせて高精細なワイド映像を作成し、パブリックビューイング会場に伝送。視野角180度の観戦者を取り囲むサラウンド映像で、観客に試合を楽しんでいただきました。また、スタジアムに足を運ぶと試合全体の展開はわかるけど、個々の選手の動きがわからないことがあります。『Kirari!』は、試合全体と個々の選手の動きを組み合わせて映像化できるため、スタジアムで試合を観戦しながら、手元のデバイスで選手それぞれの動きや情報などの確認もできます。この技術は、アメリカのメジャーリーグベースボールでも採用が決まっています」(庄司氏)
