日本が歓喜に包まれた10月13日。初の自国開催となった「ラグビーワールドカップ(以下、RWC)2019日本大会」で、日本代表チームは史上初の予選プール4連勝、ベスト8進出を成し遂げました。日本代表チームは、4年前英国で開催された前回大会でも優勝候補の南アフリカチームを倒し世界を驚かせました。
これらの躍進を支えたのが、GPSなどを使って収集した選手のパフォーマンスデータとプレーデータの利活用です。前回大会で日本代表チームのデータ取得やチームの分析サポートを行っていたのがデータスタジアム株式会社。2019年10月に開催された「NTT Communications Forum 2019」では、データスタジアム代表取締役社長の加藤善彦氏と、データを利活用した社会変革「Smart Word」を掲げるNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)代表取締役社長の庄司哲也氏が対談を行いました。ビジネスにも通じる「スポーツデータ利活用」の最前線とは?対談の模様をレポートします。
“勝つため”と“魅せるため”のデータ利活用
「私どもデータスタジアムは、2001年の創業当初からサッカー、野球、ラグビーのデータ分析を手がけ、近年ではバスケットボール、卓球、パラリンピック種目、ゲートボールまで対象競技数を大幅に広げています。当社が提供するサービスは『勝つためのデータ利活用』と『楽しむためのデータ利活用』に大別できます」と、加藤氏はデータスタジアムの概要を紹介します。
「勝つためのデータ利活用」とは、プロ選手やチーム、スポーツ団体を対象に、各競技及び選手の生データを取得して分析・解析し、選手の強化、戦術立案をサポートすることを意味します。例えば、データスタジアムが提供する「Football BOX」というサッカーのデータ分析ソリューションは、Jリーグ全試合の約2,000項目に及ぶプレーデータと映像をリンクさせ、さまざまな条件で分析することができます。

「魅せるためのデータ利活用」とは、一般のスポーツファンを対象に、データを活用したエンターテインメントコンテンツを提供し、新たなスポーツの楽しみ方を提供するサービスです。例えば、映像配信サービス「DAZN(ダゾーン)」の放送で使用されるJリーグ全試合の選手情報やスタッツ、走行距離、速度、プレーエリアを可視化したヒートマップなどを提供しています。これによって観客は、各選手のプレーの傾向などをデータで確認しながら、試合を楽しむことができます。
