同社はこのような状況を変えるために、あるテクノロジーを導入することを決めました。それは、メガネのように頭部に装着し、実際に見ている光景に情報を重ねて表示できるウェアラブルデバイス「スマートグラス」を活用した、現場支援ソリューションです。スマートグラス用いて、現場と社内を映像と音声でつなぐことで、スキル不足の従業員をサポートする体制を、同社は構想します。
スマートグラスの導入に当たり、同社では3つの選定基準を設けました。
まず1つ目の条件が、現場で“ハンズフリー”を可能にする、「メガネ型」のデバイスであること。実は同社はこれまでにも、映像を活用した現場支援ソリューションを導入したことがありました。しかし、撮影用にタブレット端末を持ち歩く必要があり、使い勝手がイマイチだったといいます。
メガネ型の端末であれば、端末内にカメラが搭載されているため、カメラを手で持つ必要はありません。かつ、現場で使用する各種資料も、手で持たずに、スマートグラスに映すことも可能になります。
2つ目の条件が、「音声と映像の安定性」です。同社の作業現場の中には、山間部の変電所など、通信の電波が不安定なエリアもあります。そのような場所でも高品質な映像・音声の通信ができる点が重要なポイントとなりました。
3つ目が「クラウド」であることです。クラウドベースのサービスは、初期費用が抑制でき、導入の検討もしやすいのが特徴です。さらに導入後の拡張性が高いこともクラウドベースのサービスを選定基準にした理由の一つです。