2017.11.08
クラウドで進化するコンタクトセンタービジネス第5回
電話インフラをクラウド化し課題解決したJR西日本
著者 Bizコンパス編集部
緊急時の窓口の一両日中の開設が可能に!コールセンターのサービスレベルが向上
こうしてJR西日本は、音声系システムをNTTコミュニケーションズのデータセンターサービス「Nexcenter 」上のプライベートクラウド環境に移管。IP電話サービス「Arcstar IP Voice 」と「ナビダイヤル 」で回線を整備するとともに、近畿2拠点および拠点とクラウド環境をVPNサービス「Arcstar Universal One 」で接続しました。同時に、運用管理もNTTコミュニケーションズに一任することで、シンプルな体制を実現しています。
JR西日本お客様センターの音声系システムのイメージ
2016年3月にリリースした新しい仕組みは、さまざまな成果を生み出しています。まず、システムがサービス利用型になったことで、最大の目的であった緊急時の臨時窓口の迅速な立ち上げが可能になりました。
「新しい仕組みを導入して以降のことですが、あるとき、とある線区の設備トラブルで、近隣の地域にご迷惑をおかけしてしまったことがありました。その際、臨時窓口を一両日中に開設することができました。以前の体制でしたら、おそらく倍以上の日数がかかったのではないかと思われます」(小山氏)
天候などに起因する列車運行トラブルは防ぎきれないものが多いため、緊急時のサポートが迅速化できるようになったことは、CSの維持・向上に大いに役立つと評価を得ています。もちろんサービス強化を目的にした変更・拡張についても、随時、柔軟に行えるようになっています。さらに、今回実現した柔軟な音声系システムの仕組みを活用して、同社は新たなコールセンター拠点も立ち上げました。
「近畿エリアの2拠点は隣接していますので、自然災害などにより同時に稼働できなくなるリスクがありました。そこでBCP強化を目的に、中国エリアに新拠点を開設しました。その際の音声系システムについても迅速に用意することができました」と小山氏は話します。