通信会社のB社では、顧客からのサービスに関する質問を、コンタクトセンターで受け付けていました。しかし、業界で「あふれ呼」と呼ばれる、問い合わせが集中し、オペレーターが対応処理しきれないコールが発生しており、顧客満足度の低下が懸念となっていました。
そこで同社では、電話がつながらない場合や問い合わせ内容に応じて、SMS(携帯電話のショートメッセージサービス)を送って、ほかのチャネルへの誘導を行っています。
具体的には、AIと チャットボットを組み合わせることによって、簡単な内容であれば、そのままチャットボットで完結させ、問い合わせ内容が複雑な場合は、人間のオペレーターにエスカレーションするという仕組みを採用しています。
こうして問い合わせの一部をAIチャットボットに”肩代わり”させることで、簡単な問い合わせが、人手をかけずにクローズできます。加えて、電話では1対1の対応しかできないのに対して、AIチャットボットは1対n(複数)の対応ができるため、同稼働で複数の問い合わせ処理ができる利点もあります。
さらに副次的な効果として、電話だったら問い合わせない質問ができたり、電話が使えないシチュエーションでも問い合わせられるといったような、新たな顧客ニーズにこたえられているといいます。
同社ではさらに、電話の問い合わせに対して、SMS(携帯電話のショートメッセージサービス)を送って、ほかのチャネルへの誘導も行っています。電話がつながらない場合には、SMSでチャットで問い合わせ可能なWebページのURLを自動的に送り、そちらで質問を受け付ける、というものです。顧客側に電話以外の窓口を提供することで、オペレーター待ちの時間を減らす効果があります。
電話やメールだけでなく、チャットやLINEなど、オムニチャネルの窓口が設けられていれば、「わざわざ電話するほどではないが質問したい」、「電話できない状況だがすぐに問い合わせたい」といった顧客のニーズにも対応できます。
電話に代表される1対1でのコミュニケーションでは、オペレーターが複数の問い合わせに同時に対応できません。しかしメールやSNSといったチャネルであれば、即座に応答することが求められないため、複数の問い合わせに同時に応対でき、効率的に作業が進められます。
