Bizコンパス

顧客接点刷新で現場の課題を可視化したローソン
2018.01.26

いま求められる“顧客接点の強化”第3回

顧客接点刷新で現場の課題を可視化したローソン

著者 Bizコンパス編集部

能動的なサービス改善に向けた次の取り組みへ

 今後、同社ではトラブルやクレームへの迅速な対応といった“守り”の領域だけではなく、より良いサービスを提供する“攻め”の領域でも集約したセンターの応対履歴を活用していく予定です。

「現在は、専任の担当者を置き、テキストマイニングしたお客さまの声をクラスター分析にかけています。これによりお客さまの反応するキーワードからトレンドが見えるようになるため、能動的なアクションが可能になります。たとえばクレームとして顕在化しない声でも件数が多ければ分析して改善したり、時系列で把握できたりするので、成果を推し量ることもできます」と関氏は次なる展望を見据えます。クレームのみならず、ポジティブなキーワードを分析すれば新たな商品開発などのヒントにもつながっていくでしょう。

 現在、コンタクトセンターにAIを導入して顧客対応力を高めるケースが増えつつあります。しかし、関氏は異なる視点での活用を考えているようです。「人材減少が加速するこれからの時代は、ご来店時にお客様のご要望、ご質問に即時対応ができるよう、店舗でのAI活用も今後大きな課題であります。現在はAI実装の布石としてBIツールを強化して、人手を介すことなく店舗で問題が解決できる仕組みをつくる検討に着手しています。テクノロジーはお客さまのそばで、お客さまの満足度を高めるために使うのがベストです」と関氏はAIへの見解を語ります。

 同社では店舗以外の顧客接点についても電話、メール、Webの窓口に加え、SNSなどの新たなチャネルを追加していく方針です。もちろんSNSではAIによる自動応対から有人オペレーターへのエスカレーションなど、ハイブリッドな応対も検討しています。さらにローソンIDへの登録ユーザーを増やすことでチャネルを横断したさらなるオムニチャネル化にも取り組んでいく計画です。

 関氏は「電話をかけてきたお客さまに確認のメールを送る、SNSで補足・追加案内を送るといった、フレキシブルな対応ができる仕組みを考えていく必要があります。きめ細やかなサービスはお客さまの来店を促し、満足度を高めることができます。今回のセンター統合にも言えますが、そうした革新を支えるのがITであり、今後もお客さまにご満足いただけるシステム、サービスの開発に力を入れて行きたいです」と締めくくります。

 トップの鶴の一声でビジネスをダイナミックに革新させる企業が急成長を遂げています。迅速な革新のためには明確な意思決定の根拠となる判断材料が必要です。ITを使って現場で起きていることをリアルタイムでありのまま「可視化」したローソンの狙いは、そこにありました。革新のヒントは見えにくいだけで、現場にいくらでも転がっているのかもしれません。

※掲載されている内容は公開日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。

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