フリーワードとぴったり診断のいずれでも、応対するのは「リス太」という同社のLINE公式アカウントのキャラクターで、利用者は通常のLINE利用と同様にテキストを入力したり、あるいはチャット画面に表示された候補の中から回答を選択したりしてコミュニケーションを図ります。
最適なプランをAIが診断・提案

フリーワードによるコミュニケーションで主に想定されているのは、OCN モバイル ONEのサービス内容に対する問い合わせです。たとえば「普通の携帯電話と何が違うの?」などと聞くと、リス太が「格安スマホでも、電話、ネット閲覧やLINE/地図/ゲームなどのアプリは普通のスマホと同じように利用できるよ」などと回答してくれます。
ぴったり診断機能は、「音声通話は必要かな?」「動画サイト(YouTubeなど)は一日どれくらい見るかな?」など、リス太からの質問に答えると、「おすすめプラン」をレコメンドしてくれるという仕組みです。最後に表示されたおすすめプランには「詳細を見る」というリンクがあり、それをクリックすると購入ページにつながるという流れになっています。なお質問に対する回答は選択式となっていて、利用者があまり悩まずに答えられるよう工夫されています。
LINE公式アカウントにCOTOHAを導入したことで、具体的にどのような効果があったのでしょうか。秋友氏は次のように答えてくれました。
「まず24時間365日、お客さま対応が可能になったことが大きいと考えています。これにより、コンタクトセンターでは応対できない早朝や深夜帯でも問い合わせができるようになり、問い合わせ応対件数は従来の3倍に伸びています。また格安スマホセットの販売数も5倍と大きく伸ばすことができました」
格安スマホセットの販売数が伸びた理由として、同社ではAIとのコミュニケーションによって疑問が解決できるようになり、それによって購買意欲が高まったのではないかと分析しています。特に従来との差として大きいのはコンバージョン率で、以前もキャンペーンを告知すると多くの利用者にクリックされていましたが、コンバージョン率は伸び悩んでいました。しかしCOTOHAを導入してから、クリックは若干減ったものの、LINE内で購入検討が進んだことで、コンバージョン率が大幅に上昇し、それが5倍という大きな数字につながっています。
もう1つの効果として、顧客とのエンゲージメントの強化も大きいと話すのはNTTコミュニケーションズの西田和彦氏です。
「多くの方がそうだと思いますが、企業のLINE公式アカウントを友だちにしても、企業側からのアクションがなければ滅多にアクセスしないケースが多いと思われます。実際、当社のLINE公式アカウントもCOTOHA導入前のアクセス数は決して多くありませんでしたが、導入した結果、一日あたりのアクセス数は以前の27倍にまで伸びました。こちらから仕掛けるだけでなく、お客さまからも来ていただけるようになったことは、エンゲージメントの側面において大きな成果だと考えています」
LINE公式アカウントは多くの企業が開設していますが、マーケティングツールとして十分に活用できていないと課題を感じているケースは多いのではないでしょうか。確かに公式スタンプの提供などを行えば友だち数を増やすことは可能ですが、それをビジネスメリットにつなげるのは決して簡単ではありません。そのような課題を解決する上で、今回の事例のようにAIを活用することは選択肢の1つになるのではないでしょうか。
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