そこで同社はAIを用いたテキストマイニングの導入を決断します。同社が選んだサービスは、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の「COTOHA Voice Insight」でした。
COTOHA Voice Insightは、40年以上蓄積されたNTT研究所の技術を用いて開発された音声テキスト化ソリューションです。コンタクトセンター向けに厳選した単語でチューニングされており、音声認識率の高さが特徴です。商品名などを辞書に登録することで、さらなる認識率の向上が図れます。
さらに、クラウドサービスとして提供されているため、サーバーなどへの設備投資は不要です。クローズドVPN経由で音声データを送信する仕組みも採用しているため、高いセキュリティもポイントです。
なぜ東名はCOTOHA Voice Insightを採用したのでしょうか。実は同社では、約2年前からテキストマイニングの導入を検討していたといいます。
「以前から通話内容のチェックに要する労力を削減するためにテキストマイニングを導入したいと考えていました。しかし2年前の段階ではテキスト化の精度が低く、コスト負担も大きかったため、導入までには至りませんでした」(立川氏)
このような状況で巡り会ったのがCOTOHA Voice Insightでした。
「第一印象は、ユーザーインターフェイスもシンプルで、“簡単に使えそうだな”でした。テキスト化の精度も、実際に音声をテキスト変換した結果を見て高いことがわかりました。コスト的にも、これまでチェックしてきたほかのソリューションと比べて導入しやすい価格帯でした」
社内では「それでも、まだ高いのでは」と導入を渋る声もあったといいます。しかし、COTOHA Voice Insightを導入することによるコスト削減効果や、テレマーケティングによる営業活動の精度向上にもつながると判断され、無事に導入が決定しました。
COTOHA Voice Insightの本格的な利用は、この7月からスタートしています。業務フローは、まずはチェックする通話の録音データを、夕方にクラウド上にアップロード。すると、翌日の朝にはテキスト化が完了しているので、それを使って通話内容をチェックしていくという流れになります。テキストの形式は、汎用性の高いCSV形式で出力されます。