マカフィーがこの「Call to Web」の仕組みを成功させるうえで、特に重要なポイントになったのが、ナビダイヤルのIVRの音声ガイダンスが簡単に自分達で変更できることでした。
音声ガイダンスでFAQを紹介したり、SMS送信でFAQへ誘導する仕組みを作ることは確かに重要ですが、それと同時にお客さまに「FAQを見てみようか」と思っていただけるメッセージ作りが重要でした。
どのタイミングで、どのようなメッセージを、それぞれのお客さまにお伝えするのが最適なのか、試行錯誤しPDCAを回していく上で、コールフロー変更や音声ガイダンスの内容変更を自分達で柔軟に実施できる仕組みが必要だったのです。
同社でかつて利用していたオンプレミスの応答システムでは、IVRの内容を変更するために、ナレーターの音声を録音し、外部ベンダー経由でIVRに改めて登録する必要がありました。場合によっては変更に1週間を要することもあったといいます。
「現代のコンタクトセンターでは、顧客ニーズの多様化に合わせ、ガイダンス内容には常に変更・最適化が求められています。ナビダイヤルでは、テキストベースで登録すれば、ガイダンスを音声合成で作成できます。その作業は30分もかかりません。そのため、我々は毎日のようにIVRのガイダンスの変更・修正を行っていました。
電話で問い合わせいただいたお客様が、どのような誘導ガイダンスであれば、Webを見たくなるのか、日々工夫を重ねています」(宮崎氏)
この機能を使うことで、突発的なコールスパイクに対応する際のガイダンス作成も簡単になり、問い合わせ動向を見ながら、ガイダンスの内容を最適化することが容易になりました。これにより、同社ではPDCAを迅速に回すことが可能になったといいます。
「トラフィックレポートを分析すると、サポートセンターが営業していない時間帯においても一定の着信が確認できました。そこで、営業時間外でも、Call to Webを実践することにしました。
営業時間外のガイダンスにも、ナビダイヤルの発信者端末種別ルーティングを入れており、モバイル端末の方には、平日と同様にSMSでFAQページをご案内しています。時間外のコール数の全体の30%にSMSが送信されていますので、一定の効果があるとみています」(宮﨑氏)