こうした取り組みの1つに、PDCAサイクルの中でクレームにつながったコールを振り返り、改善につなげるという施策も実施されていました。しかしNTTコム エンジニアリングの岡本佳奈氏は、十分にお客さまの声を把握できていなかったと振り返ります。
「クレームがあれば上長が応対するルールにしていましたが、上長に行き着かないコールも少なくありません。そのため、実際にどの程度のお客さまが不満足だったのかがわからず、TOCとしてどこを改善すべきかの判断ができなかったのです」
当時、TOCではオペレーターやスーパーバイザーが録音された応対内容を聞き、どこが悪かったのかを議論するといった取り組みは行われていたと言います。その際の録音データがクレームにつながるものであれば、どうすればお客さまに満足していただけるかを振り返る上でも有効ですが、月に1万コールもある中からクレームのあったコールを探し出すのは簡単ではなく、改善活動に十分につながっていませんでした。