日本のコカ・コーラシステムでは、ITシステムの関連業務をコカ・コーラアイ・ビー・エスに集約しています。今回、同社の代表取締役社長であるサミ・ベンジャマ氏に、クラウド活用におけるポイントについてお話を伺いました。
日本のコカ・コーラシステムにおけるITシステム刷新を主導
世界中で親しまれているコカ・コーラのほか、缶コーヒーの「ジョージア」、あるいは無糖茶の定番として幅広い層に愛飲されている「綾鷹」「爽健美茶」など、さまざまな清涼飲料水を開発しているのが日本コカ・コーラです。同社の主な役割は原液の供給と製品の企画開発、マーケティング活動などで、それに加えて製品の製造と販売を担うボトラー各社、そしてシステム機能会社で日本のコカ・コーラシステムは構成されています。
その関連会社の1つにコカ・コーラアイ・ビー・エス株式会社があり、日本のコカ・コーラシステムにおけるITシステム関連業務を担っています。同社の代表取締役社長であるサミ・ベンジャマ氏は2013年に主要ボトラーであるコカ・コーライーストジャパン(CCEJ)に入社した際、コカ・コーラシステムで使われていたシステムの数は膨大で、多種多様なプロダクトが使われていたと振り返ります。
「SAPシステムだけでも複数存在していたほか、バージョンもさまざまであり、さまざまなプロダクトがありました」
このような複雑な状況から抜け出し、経営統合によるシナジーを生み出すことを目的に、コカ・コーライーストジャパン(CCEJ)では、当時CCEJのCIOであったサミ・ベンジャマ氏は、システム統合を率いていました。その際にまず検討されたのがマスターアーキテクチャの設計でした。サミ・ベンジャマ氏は次のように語りました。
「第一に取りかかるべきなのはマスターアーキテクチャの設計です。その中心にあるのはデータであり、マスタデータがどこにあるのか、必要なデータをどこに作るのかを最初に検討します。続けて、そのほかの周辺システムのどれを残すか、何を統合するかを考えます。SAP ERPやマーケティングツール、プライシングツールなどがあります。これが2番目となります」